Vol.473.半側空間無視にマッサージャーが有効!?頸部筋振動刺激単独での半側空間無視の持続的な改善
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カテゴリー
タイトル
●半側空間無視にマッサージャーが有効!?頸部筋振動刺激単独での半側空間無視の持続的な改善
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者の治療に携わることが多く、その中で半側空間無視の患者と関わることも多い。より引き出しを増やすための学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景
●最近、頸部筋の振動刺激と探索トレーニングを組み合わせることで、半側空間無視の持続的な改善が示されています。本研究では、左後頸部筋の振動刺激のみが空間無視の持続的な減少を引き起こす可能性があるかどうかを評価しました。
補足:頸部筋振動刺激(neck muscle vibration) Karnathら(1993)は,左後頸部の筋に振動刺激を与えて運動覚性錯覚を生じさせ,半側空間無視を改善する方法を考案した。左側の後頸部筋に 振動刺激を与えると,筋が伸張されたという錯覚が生じ,主観的に身体の正面正中と感じる方向が 実際よりも左方へ定位される。
方法
●右半球脳卒中後に半側空間無視を有した6人の患者が参加しました。10日間毎日20分ずつ振動刺激を実施しました。振動刺激の間、患者は特定の活動を行いませんでした。
結果
●振動刺激療法を終了後、即時的に半側空間無視の有意な改善が観察されました。1.4年後の追跡テストでも改善された状態の持続が確認されました。
●左後頸部筋への振動刺激は半側空間無視に対して確立された有用な非侵襲的なツールです。必ずしも患者の能動的な協力を必要としないため、リハビリの初期段階でも有用である可能性が示唆されます。
私見・明日への臨床アイデア
●振動刺激機器で研究でスライヴ ハンディマッサージャー MD01(Thrive MD-01)は使用されており、およそ5000円ほどで購入可能。左後頸部筋(頸椎の外側約6〜8cm)に実施。振動子の先端は直径5cmで、振幅1.0mmで91Hzで振動したと報告あり。臨床でも、皮膚トラブル等リスク管理を行いながら効果を確認してみたい。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)