Vol.480.X線所見から筋の状態を診る!変形性股関節症集団の股関節外転筋萎縮と臨床的重症度との関連性
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股関節検査↓↓↓
カテゴリー
タイトル
●X線所見から筋の状態を診る!変形性股関節症集団の股関節外転筋萎縮と臨床的重症度との関連性
●原著はAtrophy of hip abductor muscles is related to clinical severity in a hip osteoarthritis population.こちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●X線所見から身体状況を推察することも多い。より推察できる幅が広がるように学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景
●変形性関節症は、主に股関節や膝などの荷重関節に影響を及ぼし、関節炎の最も一般的な原因です。殿筋の脂肪浸潤と股関節外転筋力の低下を伴うより大きな筋萎縮は、放射線学的股関節OAの重症度の増加とともに以前に確認されています。 ただし、OAのX線所見が必ずしも臨床的重症度と相関しているわけではないことも十分に立証されています。
●本研究目的は、OAの放射線学的重症度に関連するGMax、GMed、GMinおよびTFLの構造的および機能的変化が、臨床的重症度にも関連しているかどうかを判断することでした。
方法
●手順は、身体活動レベル(activity metabolic index)は、 the Minnesota Leisure Time Physical Activity Questionnaire(身体活動アンケート)を使用して評価されました。 股関節外転、内外旋の強さは、一人の研究者がhand-held dynamometerで測定しました。3つの試行からの各動きの最大値を分析に使用しました。 参加者の年齢、性別、身長、体重、四肢優位性も記録された。 四肢の優位性は、参加者に3つのタスクを実行するように依頼することで決定されました。(階段を上る、ボールを蹴る、想像上の火を消す)
結果
●殿筋の脂肪浸潤と股関節外転筋力低下を伴う著明な筋萎縮は、放射線学的な股関節OAの重症度の増加と共に先行研究で確認されており、今回の研究においても臨床的重症度と関連していました。
●これは、OAの臨床的重症度と股関節筋の変化との関連を調べる最初の研究であり、筋萎縮が臨床的重症度の増加に関連していることを実証しました。症状のあるグループを無症候のグループと比較したところ、筋萎縮がGMax、GMed、GMinで確認されました。TFLの萎縮は現在の研究では確認されていません。
私見・明日への臨床アイデア
●整形疾患患者に限らずX線画像より筋の左右差・萎縮・脂肪置換など観察・推測することが可能である。臨床において活用することも有用と思われる。関節症患者においては、筋の状態は関節負荷にも直接関わるため、撮影している場合はマストで観察する必要があると思われる。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)