Vol.485.痙縮に超音波は有効!?脳卒中後の足底筋に対するストレッチとの比較
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カテゴリー
タイトル
●痙縮に超音波は有効!?脳卒中後の足底筋に対するストレッチとの比較
●原著はEfficacy of Therapeutic Ultrasound in the Treatment of Spasticity: A Randomized Controlled Studyこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●以前、手指のケアで超音波を使用した際に反応が良かった印象がある。実際、世の研究ではどうなのか興味を持ち、本論文に至る。
内 容
背景
●研究目的は、脳卒中後の足関節底屈筋の痙縮に対する超音波の効果を調査することであった。
方法
●足関節底屈筋のMASのスコアが2〜3の痙縮を伴う片麻痺患者が研究に参加し、2つのグループ(passiveROM群と事前に超音波を10分使用する研究群)に分けられた。超音波は脹脛の筋肉に1.5w/cm2のcontinuousモードを使用しました。
●患者の治療の有効性をモニタリングするために、MAS、Hmax/Mmax比、足関節可動域(ROM)、機能的独立性およびBrunnstrom stageを評価しました。
結果
●ストレッチのみの群と事前に10分の超音波を実施する群で比較し、両方のグループで治療後、MASと足関節ROMの測定で有意な改善が見られたがグループ間では有意差はなかった。他のパラメーターでは変化は得られませんでした。この研究では、足関節底屈筋の受動的ストレッチ運動と組み合わせて適用された超音波の治療は、痙縮に対して影響を及ぼさないと判断された。
私見・明日への臨床アイデア
●個人的には、ストレッチをしながらの使用の方が反応が良い印象がある。十分に問題点を評価し、臨床推論の下ターゲットに対し意味を為す治療モード選択(深度や刺激量など)をし使用していく必要がある。
痙縮に対する自主トレーニングに役立つ動画
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)