Vol.509.脳卒中患者のフィットネストレーニング効果のレビュー
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カテゴリー
タイトル
原著はPhysical fitness training for stroke patientsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者のフィットネストレーニング効果のレビュー
内 容
背景
●脳卒中後の体力レベルは低い方多いです。脳卒中後の体力を改善することで障害が軽減されるかどうかは不明な状態です。
●脳卒中後のフィットネストレーニングが死亡率、介護依存および障害を軽減するかどうかを判断し、有害事象、危険因子、体力、移動能力、身体機能、生活の質、気分および認知機能に関するトレーニングの効果を評価することでした。
方法
●①心肺トレーニングとコントロール群②レジスタンストレーニングとコントロール群③混合(心肺・レジスタンス)トレーニングとコントロール群の比較をし、介入の終了時とフォローアップ終了時でそれぞれ評価している文献を収集しレビューする。
結果
●心肺トレーニングと、程度は少ないが混合トレーニングは、通常の脳卒中ケア中またはその後の障害を軽減します。これは、移動能力とバランスの改善によって媒介される可能性があります。
●通常の脳卒中リハと心肺トレーニングとの混合トレーニングは、脳卒中患者の歩行速度及び歩行能力を高めるのに効果的です。
●身体機能、可動性の改善には「タスク関連」のトレーニングが有効的である可能性がある(2015年2月に検索を参照)
●レジスタンストレーニングの使用をサポートするには証拠が不十分です。
●脳卒中後の死亡率と介護依存に対するトレーニングの効果はまだ不明です。これらの研究結果は体力トレーニング試験ではめったに観察されません。
私見・明日への臨床アイデア
●退院後の生活をしていく上で一定基礎体力・筋力は必要である。仕事をしていく、屋外での活動を積極的に行う方は、かなり目標を高く引き上げていく必要がある。本論文では解説されていないが、レジスタンストレーニングによる筋力強化は、歩行速度などより速い動きやダイナミックな活動を必要とする方は特に必要な印象である。本人にとってのフィットネスの最低限の基準を見直す必要があると臨床において感じる。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)