Vol.527.Kinect訓練が脳卒中患者の上肢機能回復に及ぼす効果とは?
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カテゴリー
タイトル
●Kinectベースのトレーニングが脳卒中患者の上肢機能回復に及ぼす効果とは?
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者がトレーニングを身近にゲーム感覚で行えるデバイスに興味があり、学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景
●本研究は亜急性脳卒中患者の上肢に対するKinectベースのVRトレーニングの有効性を評価した。
●Kinectベースのバーチャルリアリティトレーニングは、リハビリテーションへの参加意欲を高める可能性がある。聴覚的および視覚的刺激が魅力的で、患者が勝つか負けるとKinectベースのバーチャルリアリティゲームからフィードバック情報と刺激的な音を取得し、同じ動きを繰り返すように促すことができる。
方法
●Kinectベースの治療の効果を調査するために、18人の健康対象者と5人の脳卒中患者を募集しました。
●健康な被験者がfMRIの下で手で握り締め動作を行ったとき、他の研究と一致し、対側の一次感覚運動野、両側補足運動野、および同側小脳の脳活性化の領域と強度を記録しました。そのため、脳卒中患者でも同様に対側の一次感覚運動野、両側補足運動野、および同側小脳の脳活性化の領域と強度を記録しました。
●運動能力では麻痺側上肢を頭上に上げる能力、麻痺側上肢を操作できる速度、指の分離能力、および把握動作能力、つまみ動作、その他の複雑な運動技能のテストを実施しました。
結果
●5人の患者全員が上記課題において上肢機能の改善を示しました。
●運動機能テストのスコアが実施後に大幅な改善を示した。また、対側の一次感覚運動野、両側補足運動野、および同側小脳の脳の活性を記録しました。
私見・明日への臨床アイデア
●ゲーム自体は遊びで行ったことはあると思うが、治療に活かすとなるとリンクさせる経験をした事が無いのではじめは思考の繋げ方難しいかもしれない。しかし、どのゲームや物をどのように使うと患者にとってどんなフィードバック・成果に繋がるのか考えることに慣れてくると、様々な物品と患者の訓練のリンクをさせる能力が高まり、自然と治療の幅が広がってくると思われる。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)