Vol.546.脳卒中患者の装具不使用の理由とは?
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カテゴリー
タイトル
●脳卒中患者の装具不使用の理由とは?
●原著はThe regularity of orthosis use and the reasons for disuse in stroke patientsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●患者からよく「装具は本当は付けたくない」「家帰ったら外すと思う」「何で履くのかわからない」という声を聞いた事がある。患者が装具を使用しない理由を把握しておき、対処していくことが重要と感じ本論文に至る。
内 容
背景
●装具と歩行補助具は、歩行を容易にするために脳卒中のリハビリテーションで頻繁に使用されます。研究目的は装具使用することに決定した脳卒中患者の装具不使用の理由を説明することでした。
方法
●研究には、過去6か月間に当クリニックから退院した64人(男性43人、女性21人)の亜急性期脳卒中患者が参加しました。臨床的所見、提案された装具および歩行補助具、提案された装具の使用頻度、不使用の理由、および歩行レベルが記録されました。
結果
●装具の使用頻度は、38人(59.4%)の患者で毎日、7人(10.9%)の患者で週に1〜7回でしたが、19人(29.7%)は使用しませんでした。
●装具の不使用の理由は、7人(27%)の患者で不要、6人(23%)の患者で使用困難、5人(19.2%)の患者で圧迫感、5人(19.2)で生活を楽にしなかったという意見でした。
●装具の使用頻度に関する唯一の重要な臨床的要因は、下肢のBrunnstrom Stageでした。
私見・明日への臨床アイデア
●装具は、患者がその効果を実感していないと手間に感じるものである。患者と装具を付ける理由や効果を共有し実感して頂くことで長く装具を使用して頂けると思う。患者が置いてけぼりにならないように、療法士は注意したいところである。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)