Vol.554.脳卒中患者の足部内反と長趾伸筋の関係
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タイトル
●脳卒中患者の足部内反と長趾伸筋の関係
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者では多くの方が足部の底屈・内反を生じやすい。前脛骨筋への介入をしている人は多いが長趾伸筋まで十分意識できている人は少ないように感じ、その重要性を学習しようと本論文に至った。
内 容
背景
●片麻痺患者はしばしば異常な下肢筋のバランスを示し、これは内反足のような足の変形につながる可能性があります。
●前脛骨筋と長趾伸筋の間の筋出力の不均衡が、脳卒中患者の歩行のスイング相での足の内反と関連しているか評価した。
方法
●歩行のスイング相で足内反を呈する20人の片麻痺患者を16人の健康な被験者と比較した。歩行は、ビデオ録画と表面筋電図によって分析されました。前脛骨筋と長指伸筋の筋電図信号の持続時間と振幅の大きさを収集しました。スイングフ相の下腿三頭筋の活動も評価されました。
結果
●片麻痺患者は下腿三頭筋の早期活動と前脛骨筋と長趾伸筋の筋電図信号の持続時間と振幅の偏り(長趾伸筋の活動の減少)が頻繁に観察されました。これらの不均衡は、長指伸筋の活動の減少によって説明されました。
●歩行のスイング相での長指伸筋の活動は、前額面で足のバランスを取るために重要です。その筋の活性化は、リハビリテーションプログラムに含まれるべきです。
私見・明日への臨床アイデア
●脳卒中患者では、足部底屈内反を生じやすい。足部の痙縮と言ったときに、そもそも筋の長さが足りておらず伸張され伸張反射が起きやすいのか、速度依存で反射が起きやすいのか、コントロールの問題かなど整理が必要である。
●長指伸筋の活動も同様で、底屈筋の過活動や長さが足りず伸筋活動が出ないのか、そもそも出力が弱いのかなど整理して介入していく必要がある。
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)