足関節底屈硬直と膝関節の運動学と歩行の1stロッカーと2ndロッカーの運動における短下肢装具の影響
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脳卒中 装具系 歩行
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内容
BACKGROUND:短下肢装具の硬さは脳卒中患者の歩行を改善するために重要な役割を果たしている。本症例シリーズ研究の目的は、歩行の1stロッカーと2ndロッカーの矢状面上の足関節と膝関節の角度とモーメントにおいて、短下肢装具の底屈制動を増大した時に与える影響を明らかにすることであった。
METHOD:歩行データは5名の脳卒中患者から、3次元動作解析研究室で吊り下げトレッドミルを使用し、歩行速度は自己設定、短下肢装具は二つの底屈制動(0.4Nm/°and1.3Nm/°)を使用した。
FINDING:短下肢装具の底屈制動を増大させると、全体的に1stロッカーでは足関節の最大底屈角度は減少し、最大背屈モーメントは上昇した。2対象は2ndロッカーでは膝関節の最大屈曲角度と最大伸展モーメントの両方の上昇を示した。2対象は底屈運動は筋収縮のみ示した一方、その他の3対象は底屈運動が可能であった。
INTERPRETATION:足関節底屈過活動の減弱は、歩行の初期接地で過度の底屈硬直を減弱させることができず、さらに結果として膝関節の代償戦略を示したことが示唆された。もし短下肢装具が過度な硬さであれば、膝関節の伸展筋にストレスを加え、疲労と将来的な病的異常を作り出している可能性が示唆された。
Singer ML, Kobayashi T, Lincoln LS, Orendurff MS, Foreman KB.Clin Biomech(Bristol,Avon).2014:1077-80.
明日への臨床アイデア
急性期では装具の早期使用が推奨されていますが、こういった観点で障害予防を考えると痙性コントロールや可動域制限の予防の重要性を感じます。
何気なく使っている装具の角度ももう一度見直す必要がありそうです。
装具を使用して歩行する目的が何かによっては違う方法を選択するべきかもしれません。
やみくもに歩行練習量だけを考えると患者様の今後のADLに多大な悪影響を与えているかもしれません。もう一度見直す必要がありそうです。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)