脳卒中患者に対する声掛けと学習の効率の関係性とは!?脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
脳卒中 脳科学系
タイトル
高齢者の考え方を変更・変化させることは,運動学習を向上させることができる Altering mindset can enhance motor learning in older adults Wulf, Gabriele, Suzete Chiviacowsky, and Rebecca Lewthwaite:Psychology and aging27.1 (2012): 14
内 容
高齢者の運動学習中の声掛けがバランス課題の学習を促通するかどうかを調査した研究
METHODS&RESULTS
実験1:被験者のパフォーマンスが他の人よりも良いということを示唆するフィードバックを提供することで,コントロール群と比しより効率的なバランス学習を生じることを明らかにした
図1練習と効果保持における規範的フィードバック群とコントロール群のバランス性能(バランスの時間)
●規範的フィードバック群○コントロール群 実験2:練習の始めに「あなたの仲間はいつもこの課題を上手くやっていますよ」と声をかけることで被験者の自己効力感と課題の学習を強化した
図2練習と効果保持におけるバランス増強見込み群とコントロール群のバランス性能(バランスの時間)
●増強見込み群○コントロール群 (出典:図1・2ともにWulf:Altering Mindset Can Enhance Motor Learning in Older Adults)
CONCLUSIONS
高齢者における運動パフォーマンスと学習が個人の能力知覚の強化によってすばやく,ポジティブに変化され得るということを示唆している
明日への臨床アイデア・感想
●クライアントの運動学習中には「皆さんよりもお上手ですよ」あるいは「他の方も皆さんできてますよ」といった声掛けをすることで良い成果に繋がるかもしれない
●実験1では被験者が出した結果よりも20%悪い結果を即座に算出し,それを平均値として被験者に伝えることで「他の人よりもできているんだ」という感覚を与えている.つまり、実際は他の人よりもバランス能力に長けていたわけではないのに,「他の人よりも優れている」と思い込むことによってその後の運動学習が強化されたことになる
●クライアントへの言葉を選びながら他の人よりも優れている感覚を得ていただくことはクライアントの効率的な運動学習につながると思われる
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)