足底圧分布と歩行能力に影響を及ぼす姿勢アライメントとは??脳卒中リハビリ論文サマリー
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カテゴリー|脳卒中 バイオメカニクス
タイトル|脳卒中患者における姿勢アライメント変化が及ぼす足底圧と歩行能力への影響
Effect of changes in postural alignment on foot pressure and walking ability of stroke patients(クリックにてPubMedへ)
Yang DJ:J Phys Ther Sci. 2015 Sep;27(9):2943-5
論文内容
目 的
●脳卒中患者における姿勢アライメントの変化が及ぼす足圧と歩行の意義・関連性を決定すること
対象・方法
●姿勢アラインメントに基づいた足圧と歩行能力を50人の脳卒中患者で測定
●アライメント:体幹の不均衡,体幹回旋,骨盤傾斜,脊柱後弯,脊柱前弯,足圧(体重支持率と平均足圧)
●歩行能力:10m歩行試験
結 果
●姿勢アライメント変化における足圧(体重支持率と平均足圧)と歩行能力の相関を算出
出典(クリックにて原著へ):http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4616131/より修正・引用
まとめ|姿勢アライメント変化が及ぼす足底圧と歩行能力への影響
●脳卒中患者は,不均衡な姿勢アライメントに伴った重量の偏位により,重大な姿勢変化を引き起こし,安定した姿勢を支持面内で保持することは困難
●健常成人における立ち位置での足圧分布と脊椎アライメントの関係を調査した研究では,脊柱アライメントと足圧分布との高い相関関係があったと報告しており,足圧分布と体幹の不均衡,体幹回旋,及び骨盤傾斜との関係が非常に重要であることを示している(Teasdale Nら:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11600323)
●不均衡な姿勢アライメントは,バランス能力を低下させ,最終的に機能的な活動に問題を引き起こすため,脳卒中患者の機能的活動や毎日のルーチン(歩行も含む)のパフォーマンスに含まれるべき
明日への臨床アイデア・感想
●脳卒中患者の体重支持・足圧力,および歩行に影響を与える姿勢アライメントの要因を分析した知見
●体重支持・足圧などのBOSの視点から見た場合,身体を偏位させている主なアライメント要因の多くが非麻痺側にあることが示されている
●座位や立位でCOP偏位をMidlineへ近づけるために他動的に誘導するのではなく,どこのセグメントがそのCOP偏位を誘発しているのかという視点を与えてくれている
●では,不均衡な姿勢アライメント(筋も含めて)のどこから促通・誘導するのが患者様にとって一番いいのか?効率的なのか??というのは,個体間で異なるためセラピスト個人の評価が重要
●臨床にて「非麻痺側治療」の重要性はよく見聞きするが,その具体性・介入の中身の1アイデアとして,自己のリーズニングと照らし合わせることでヒントが得られるかもしれない
氏名 齋藤 潤孝
職種 作業療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)