【2024年版】多発性脳梗塞の原因・診断・治療・リハビリテーションまで解説
多発性脳梗塞の概要
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)は、脳内の複数の部位で血液供給が不足し、脳組織が損傷する状態を指します。これらは通常、心臓や動脈からの塞栓(血栓)が原因で発生し、特に心房細動や動脈硬化が関与することが多いです。
原因は多岐にわたり、特に以下の要因が重要です。
1. 心原性塞栓症
概要: 心臓から生じた血栓が脳血管に移行し、脳梗塞を引き起こすことです。
- 心房細動:不規則な心拍が血栓を形成しやすくし、これが脳に移動して梗塞を引き起こす (American Journal of Neuroradiology) 。
- 心臓弁疾患:弁の異常が血流を乱し、血栓形成を助長する。
- 特発性塞栓性脳梗塞(ESUS):原因不明の心原性塞栓症の一種で、特に若年層に見られることがある (BioMed Central) 。
2. 動脈硬化
概要: 動脈壁の脂肪沈着や硬化によって血管が狭くなり、血流が遮断される。
- 頸動脈狭窄:頸動脈の狭窄が進行すると、脳への血流が減少し、梗塞を引き起こす。
- 脳内動脈硬化:脳内の主要動脈が硬化し、血流が途絶えることがある (American Journal of Neuroradiology) 。
3. 大動脈弓病変
概要: 大動脈のアーチ部分に病変が生じ、これが原因で血栓が形成される。
- プラーク破裂:動脈プラークが破裂し、血栓が形成されて脳に移動する。
4. その他のリスクファクター
COVID-19関連凝固障害:
- 概要: COVID-19感染に伴う凝固障害は、長期間にわたって血栓形成のリスクを高める。特にD-ダイマー値の上昇が見られる場合、脳梗塞のリスクが増加する (BioMed Central) 。
- メカニズム: COVID-19は血液凝固システムに影響を与え、微小血栓や動脈血栓を引き起こす。
5. その他の要因
特定の遺伝的要因や生活習慣:
- 喫煙、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は動脈硬化や血栓形成のリスクを高める。
- 遺伝的要因:家族歴に脳梗塞がある場合、リスクが高まることがある。
症状
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)は、複数の部位で脳梗塞が同時または連続して発生する状態であり、これにより多様な症状が現れます。最新の研究に基づく症状を以下に詳述します。
1. 認知機能障害
多発性脳梗塞は、特に大脳皮質や皮質下領域に影響を及ぼし、認知機能障害を引き起こすことが多いです。具体的には、以下のような症状が現れます:
- 記憶障害:新しい情報の記憶や既存の情報の想起が困難になります。
- 注意障害:注意の持続や分割が難しくなるため、複数のタスクを同時にこなすことが困難になります。
- 実行機能障害:計画立案や問題解決、組織化などの高次認知機能に影響が出ることがあります。
2. 運動機能障害
- 麻痺:片側または両側の手足に麻痺が生じることがあり、これが日常生活の動作に大きな影響を与えます (SpringerLink) 。
- 筋力低下:筋力が低下し、動作が遅くなることがあります。
- 協調運動障害:細かい運動やバランスの維持が難しくなることがあります。
3. 言語障害
- 失語症:言語の理解や生成に障害が生じることがあります。具体的には、発語が困難になったり、言葉を正しく使えなくなることがあります。
- 構音障害:口や喉の筋肉の制御が難しくなり、言葉をはっきりと発音することが困難になります。
4. 嚥下障害
- 嚥下困難:食物や液体を飲み込むのが難しくなり、誤嚥(食物や液体が誤って気道に入る)するリスクが高まります。
5. 感覚障害
- 感覚喪失:触覚や痛覚、温度感覚が低下することがあります。
- 異常感覚:触れた際に異常な感覚や痛みを感じることがあります。
6. 精神・行動の変化
- うつ病や不安症:多発性脳梗塞は、精神状態に影響を与え、うつ病や不安症のリスクを高めます。
- 人格変化:衝動的になったり、感情のコントロールが難しくなることがあります。
これらの症状は、脳のどの部位がどの程度影響を受けたかによって異なります。適切な診断と治療が早期に行われることで、これらの症状を軽減し、患者の生活の質を向上させることが可能です。
予後
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)の予後は、以下の要因によって大きく影響されます。
1. 疾患の重症度と初期治療
- 初期の障害:入院時のNational Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコアが高いほど予後が悪いことが示されています。初期の血栓溶解療法や血管内治療が行われると、予後が改善する可能性があります。
2. 基礎疾患の有無
- 心血管疾患:心房細動、心筋梗塞、動脈硬化などの既往歴がある患者は、再発リスクが高く、予後が悪い傾向があります。慢性的な心疾患がある患者では、多発性脳梗塞の発生後も注意深い管理が必要です。
3. 治療への反応と継続的な管理
- 抗血小板療法と抗凝固療法:これらの治療法は、再発を防ぎ、患者の予後を改善するのに効果的です。特にリバーロキサバンなどの直接経口抗凝固薬(DOAC)の使用が有効であることが示されています。
- 生活習慣の改善:体重管理、禁煙、適度な運動などの生活習慣の改善も予後に大きく影響します。
4. COVID-19との関連
- COVID-19関連の凝固障害:COVID-19感染後、長期間にわたる凝固異常が見られ、多発性脳梗塞のリスクが増加することがあります。これにより、予後がさらに複雑化することがあります。
5. 長期的な予後
- 機能的回復:退院時のmodified Rankin Scale(mRS)スコアが低い患者は、長期的な機能的回復が期待できます。多くの患者が3か月から1年以内にmRSスコア0~1を達成し、良好な機能的予後を示します。
これらの要因を考慮し、個別のリスクプロファイルに基づいた適切な治療と管理が、予後の改善に不可欠です。
診断
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)の診断と検査には、さまざまな画像診断技術と臨床評価が使用されます。最新の研究に基づく診断と検査の方法を以下に詳しく説明します。
1. 画像診断
磁気共鳴画像法(MRI)
画像引用元:reserchgate
- 概要: MRIは、多発性脳梗塞の診断において最も広く使用される画像診断法です。特に拡散強調画像(DWI)は、急性期の脳梗塞を検出するために非常に有効です。
- 利点: DWIは、組織の拡散異常を検出することで急性梗塞を早期に診断できるため、脳梗塞の位置と範囲を正確に把握できます
- 画像解説:
この画像は、多発性脳梗塞を示すMRI(磁気共鳴画像)の図です。以下に各スライスとその特徴について解説します。
上段(拡散強調画像: DWI)
上段の画像は拡散強調画像(Diffusion Weighted Imaging; DWI)で、多発性脳梗塞を検出するのに非常に敏感です。DWIでは、新鮮な脳梗塞が明るく(高信号)表示されます。
- 左側の画像:
- 左右大脳半球の白質に小さな明るい領域が複数見られます。
- これは新しい梗塞の存在を示しています。
- 中央の画像:
- 前頭葉、頭頂葉に明るい領域が多数見られます。
- これも新しい梗塞を示しています。
- 右側の画像:
- 白質の中に広範囲にわたる高信号領域が確認されます。
- 広範な梗塞があることを示しています。
下段(フレア画像: FLAIR)
下段の画像はFLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery)画像で、古い梗塞や慢性的な病変を特定するのに役立ちます。FLAIRでは、液体が抑制されるため、脳実質内の異常がより明瞭に表示されます。
- 左側の画像:
- 白質に高信号領域が見られますが、DWI画像ほど明確ではありません。
- これは既存の慢性的な梗塞を示している可能性があります。
- 中央の画像:
- 多発する高信号領域が確認されます。
- これらの領域は慢性的な白質病変を示していることが考えられます。
- 右側の画像:
- 広範な白質の高信号領域が確認されます。
- 慢性的な多発性梗塞や白質変性を示唆します。
- 左側の画像:
コンピュータ断層撮影(CT)
- 概要: CTスキャンは、脳内出血の有無を迅速に評価するために使用されます。脳梗塞の急性期診断には、CTも有用です。
- 利点: CTは迅速に実施でき、特に出血の有無を確認する際に有効です。MRIに比べて一部の施設では利用しやすいです。
2. 血管画像検査
頸動脈超音波検査
- 概要: 頸動脈の狭窄やプラークの存在を評価するために使用されます。非侵襲的であり、動脈硬化の程度を測定するのに役立ちます。
- 利点: 頸動脈狭窄の評価において信頼性が高く、脳梗塞のリスク評価に有用です (American Journal of Neuroradiology) 。
脳血管造影(DSA)
- 概要: 脳血管の詳細な画像を提供し、狭窄や閉塞の部位を特定するために使用されます。
- 利点: 高解像度の血管画像を提供し、血管の異常を正確に評価できます。インターベンショナルラジオロジーで治療計画を立てる際にも重要です (American Journal of Neuroradiology) 。
3. 臨床評価
National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)
- 概要: NIHSSは、脳梗塞の重症度を評価するためのスコアリングシステムです。
- 利点: 患者の初期評価や治療効果のモニタリングに使用され、スコアに基づいて治療方針が決定されます (BioMed Central) 。
4. 血液検査
D-ダイマー
- 概要: 血液中のD-ダイマー濃度を測定することで、凝固障害の有無を評価します。特にCOVID-19関連の凝固障害が疑われる場合に有用です。
- 利点: 高いD-ダイマー値は血栓形成のリスクを示し、治療計画の重要な指標となります 。
5. 心臓評価
心エコー検査
- 概要: 心臓の機能や構造を評価するために使用され、特に心原性の原因を特定するのに有効です。
- 利点: 心房細動や心臓弁異常など、脳梗塞のリスクファクターを早期に発見できます。
これらの診断および検査方法を組み合わせることで、多発性脳梗塞の正確な診断と効果的な治療計画が可能となります。最新の研究は、これらの方法が多発性脳梗塞の早期発見と治療において重要であることを示しています。
治療
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)の治療は、以下のような多岐にわたるアプローチを含みます。これらの治療法は、患者の具体的な症状や原因に応じて個別に調整されます。最新の研究に基づく治療法を詳述します。
1. 急性期治療
血栓溶解療法
- 概要: 発症から4.5時間以内の患者には、アルテプラーゼなどの血栓溶解剤が用いられることが多いです。
- 効果: 早期治療によって血流を回復させることで、脳組織の損傷を最小限に抑えることができます。
血管内治療(エンドバスキュラーセラピー)
- 概要: 機械的血栓除去術(メカニカルサンボロクトミー)は、血栓を直接除去するための方法です。これは、特に大動脈の閉塞に有効です。
- 効果: 血管内治療は、特に大動脈閉塞を伴う重度の脳梗塞患者において有効であり、機能的な回復率を向上させます。
2. 二次予防
抗血小板療法
- 概要: アスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板薬が使用されます。
- 効果: 抗血小板療法は、再発性の脳梗塞のリスクを低減するのに有効です。
抗凝固療法
- 概要: 心房細動などの心原性原因がある場合、ワルファリンやリバーロキサバンなどの抗凝固薬が用いられます。
- 効果: 抗凝固療法は、心原性脳梗塞の予防において特に重要です (SpringerLink) 。
3. 生活習慣の改善
食事療法と運動
- 概要: 健康的な食事と適度な運動は、脳梗塞の再発リスクを低減します。
- 効果: 生活習慣の改善は、長期的な健康状態の向上に寄与します (SpringerLink) 。
禁煙とアルコール制限
- 概要: 禁煙およびアルコール摂取の制限は、動脈硬化の進行を防ぎます。
- 効果: これらの生活習慣の変更は、再発リスクを大幅に減少させます (SpringerLink) 。
4. COVID-19関連の治療
COVID-19後の凝固障害管理
- 概要: COVID-19感染後の患者では、長期にわたる凝固障害が脳梗塞のリスクを高めることがあるため、特別な管理が必要です。
- 効果: 血液凝固マーカーの定期的なモニタリングと適切な抗凝固療法の調整が必要です。
これらの治療法は、患者個々の病状に応じてカスタマイズされ、多角的にアプローチすることが推奨されます。最新の研究は、特にCOVID-19関連の凝固障害が長期的な脳梗塞リスクにどのように影響するかを明らかにしつつあります。
5. リハビリテーション
運動療法
多発性脳梗塞に対する一般的な運動療法をいくつか紹介します。これらの運動療法は、リハビリテーションの中で広く用いられ、効果が実証されています。
1. バランストレーニング
手順:
- 立位バランス練習: 支えがある場所で立ち、片足立ちや前後左右に体を傾ける運動を行います。
- 歩行練習: 平行棒を使って歩行練習を行い、徐々にサポートを減らしていきます。
- バランスボード: バランスボードの上で体のバランスを取る練習を行います。
効果:
2. 筋力トレーニング
手順:
- レジスタンストレーニング: 軽量のダンベルや抵抗バンドを使用して、上肢と下肢の筋力を強化します。
- 自重エクササイズ: スクワットやカーフレイズなど、体重を利用した運動を行います。
- マシントレーニング: ジムのマシンを使用して、特定の筋群を強化します。
効果:
3. 有酸素運動
手順:
- トレッドミル: トレッドミルでの歩行や軽いジョギングを行います。
- エアロバイク: 室内自転車を使用して、有酸素運動を行います。
- 水中運動: 水中でのウォーキングや軽い運動を行います。
効果:
- 心肺機能の向上、全身の血液循環の改善、持久力の増強に役立ちます (MDPI) 。
4. 機能的電気刺激 (Functional Electrical Stimulation; FES)
手順:
- 電極の配置: 皮膚の上に電極を配置し、特定の筋肉に電気刺激を与えます。
- 刺激の設定: 電気刺激の強度と周波数を調整します。
- 動作の補助: 電気刺激を使って、歩行や手の動きなどの動作を補助します。
効果:
- 筋肉の再教育、神経伝達の改善、運動機能の向上に寄与します (WJGNet) 。
これらの運動療法は、多発性脳梗塞後のリハビリテーションにおいて効果的であるとされています。患者の状態や進行度に応じて、専門の理学療法士と相談しながら適切なプログラムを選択することが重要です。
- 概要: 筋力強化、バランス訓練、日常生活動作の改善を目的としたリハビリテーションプログラムが提供されます。
- 効果: リハビリテーションは、機能回復と生活の質の向上に不可欠です 。
5.拘束誘導運動療法 (Constraint-Induced Movement Therapy; CIMT)
手順:
- 健側の拘束: 健側の上肢(腕と手)を拘束具で制限します。通常、拘束は1日6時間以上行います。
- 患側の使用: 患側の上肢を使用するタスクを行います。例として、ボールを握ったり、物をつかんで持ち上げたりする動作を繰り返します。
- 訓練期間: 2~3週間にわたって毎日実施します。
効果:
- 脳の神経可塑性を促進し、運動機能の回復をサポートします。CIMTは、神経伝達物質の増加や新しいシナプスの形成を促進することが示されています (Frontiers)
6. 運動イメージ療法
手順:
- 指導と準備: 専門のセラピストが患者に運動イメージの方法を指導します。患者はリラックスした状態で行います。
- イメージの実施: 患者が自分の運動を視覚化し、運動を行っている様子を詳細に想像します(例:腕を伸ばして物をつかむ動作)。
- 頻度と期間: 1回15~20分、1日に2~3回、数ヶ月間継続します。
効果:
- 運動機能の回復を促進し、日常生活動作の改善に寄与します。運動イメージ療法は、脳の運動野を活性化し、運動パフォーマンスを向上させることが示されています (WJGNet) 。
高次脳機能訓練
多発性脳梗塞における高次脳機能訓練は、患者の認知機能を回復させ、日常生活の質を向上させるために重要です。
1.認知リハビリテーションの標準化と個別化
認知リハビリテーションの効果を最大化するためには、標準化されたプロトコルに基づくアプローチと、患者個々のニーズに合わせた個別化されたプランの両方が必要です。これには、定期的な評価とフィードバックを取り入れ、訓練内容を適宜調整することが含まれます。
2.コンピュータ支援認知訓練
コンピュータを用いた認知訓練は、記憶、注意、実行機能などの向上に効果があります。特に、ゲーム形式の訓練やバーチャルリアリティ(VR)を利用することで、患者のモチベーションを高め、より効果的な訓練を提供します。VRシステムは、視覚的フィードバックと運動データをリアルタイムで提供し、患者がタスクを効率的に実行できるよう支援します (Frontiers) 。
2. 非侵襲的脳刺激(NIBS)
NIBSには、経頭蓋直流刺激(tDCS)や経頭蓋磁気刺激(TMS)があります。これらの方法は、特定の脳領域の興奮性を非侵襲的に調節し、認知機能の改善を図ります。特にTMSは、半側空間無視などの特定の認知障害に効果があることが示されています。
3. テレリハビリテーション
テレリハビリテーションは、遠隔地からリハビリテーションサービスを提供する方法で、特にパンデミック時などの物理的な制約がある状況で有効です。これには、ビデオ会議システムや専用のリハビリ機器が使用されます。患者は自宅で訓練を受けることができ、コストや移動の負担を軽減できます (Frontiers) 。
言語機能訓練
多発性脳梗塞における言語および嚥下機能訓練は、患者の生活の質を大幅に向上させるために重要です。最新の研究に基づくアプローチを以下に詳述します。
1.発声治療(LSVT LOUD)
-
- 概要: LSVT LOUDは、特にパーキンソン病や脳卒中後の患者に有効な治療法で、大声で話す能力を向上させるための訓練です。
- 効果: 音声の強度と明瞭さが改善され、コミュニケーション能力が向上します。
2.深部咽頭神経筋刺激法(DPNS):
-
- 概要: DPNSは、喉の筋肉を強化し、反射機能を改善するための治療法です。
- 効果: 嚥下機能の改善や咳反射の向上、声質の向上が期待されます。
3.コンピュータ支援認知訓練:
-
- 概要: コンピュータを利用したゲームやタスクを通じて、記憶、注意、実行機能を強化します。
- 効果: 患者のモチベーションを高め、効果的な訓練を提供します (Frontiers) 。
嚥下機能訓練
1.修正バリウム嚥下検査(MBS):
-
- 概要: バリウムを用いて嚥下の際の上部消化管の動きを評価し、問題の原因を特定します。
- 効果: 精密な診断により、適切な治療計画が立てられます。
2.ファイバースコープ嚥下評価(FEES):
-
- 概要: 内視鏡を使用して嚥下機能を評価し、食物や液体の嚥下時の問題を診断します。
- 効果: 非侵襲的かつ詳細な評価により、治療方針の決定に役立ちます。
3.顔面筋肉訓練プログラム(FMEP):
-
- 概要: 顔の筋肉を強化するための一連の訓練プログラムで、神経筋電気刺激(ES)を含む。
- 効果: 顔面の筋力と嚥下機能の向上を図り、日常生活の質を改善します。
多発性脳梗塞のまとめ
多発性脳梗塞(Multiple Cerebral Infarctions)は、脳内の複数の部位で血液供給が不足し、脳組織が損傷する状態です。これにより認知機能や運動機能が影響を受けることがあります。主な原因には、心原性塞栓症、動脈硬化、大動脈アーチ病変などが含まれます。診断には、MRIやCTスキャン、頸動脈超音波検査、脳血管造影などが用いられ、正確な評価が行われます。
治療には、急性期の血栓溶解療法や血管内治療、二次予防としての抗血小板療法や抗凝固療法が含まれます。また、生活習慣の改善やリハビリテーションが重要です。特に、運動療法やコンピュータ支援認知訓練、非侵襲的脳刺激(NIBS)などが効果的であり、認知機能や運動機能の回復を支援します (Frontiers) 。
さらに、言語および嚥下機能訓練も重要で、LSVT LOUDや深部咽頭神経筋刺激法(DPNS)、修正バリウム嚥下検査(MBS)などが行われます。これらの多角的アプローチにより、患者の生活の質が大幅に向上します。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)