【保存版】ミラーセラピー介入を終えた後もADLが改善するエビデンス!?
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ミラーセラピーを行うと介入を終えた後もADLが改善する!?
ミラーセラピーは,鏡に映る一方の手の運動を見ることによってあたかももう一方の手が動いているかのように錯覚を起こさせるものです.脳卒中患者さんの運動機能回復や,四肢を切断された患者さんの幻肢痛の改善に貢献することが明らかにされています.
今回紹介する研究では,亜急性期脳卒中患者さんに4週間のリハビリテーション+ミラーセラピーを実施することで4週間後,さらにリハビリテーションを終えてから6ヶ月後の運動機能にどのような影響があるのかを調査しています.
《従来のリハビリテーション+ミラーセラピーの効果を検証》
対象は35名の脳卒中患者(男性27名、女性8名).18名をミラーセラピー群,17名をコントロール群とした.両群とも週6日,2~3時間のリハビリテーション+1時間のホームエクササイズを4週間にわたって実施しました。.リハビリテーションの内容は神経筋促通手技,理学療法,作業療法,必要であれば言語聴覚療法.ミラーセラピー群はそれに加えて1日30分のミラーセラピーを実施しました.
《介入を終えてから6ヶ月後にFIMの有意な改善が認められた》
結果として,4週間後,ミラーセラピー群はコントロール群と比較してBrunnstrom Stage,Action Research Arm Test,FIMの点数が有意に改善しました.さらに,リハビリテーションは4週間で終了しているにもかかわらず,6ヶ月後のフォローアップ時点にてミラーセラピー群はFIM点数が有意に改善していたことがわかりました.
介入を終えてから6ヶ月後にFIM点数が改善していた理由までは明らかになっておらず,今後の研究が期待されます.リハビリテーションの時間が少なくなってしまう生活期のADL改善を考える上では,この結果は参考になるかもしれません.
参照文献
Tripathi, Deo Rishi, et al. “Efficacy of mirror therapy in subacute stroke: A case-control study.” (2016).
(文責:針谷遼)
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)