vol.78:パーキンソン病の「閾値理論」とは? パーキンソン病リハビリ 論文サマリー
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カテゴリー
脳科学
タイトル
パーキンソン病の「閾値理論」 The Threshold Theory for Parkinson’s Disease?PubMedへ Engelender S et al:Trends Neurosci. 2017 Jan;40(1):4-14
内 容
Introduction
α-シヌクレインについて
※補足:α-シヌクレインの凝集物は脳内の細胞から細胞へと広がり、それまで正常だったα-シヌクレインタンパク質を凝集させながら、動きと基本機能を担当する脳構造の『低いlower』(末梢,脳幹や中脳)場所から記憶や推論のような高度なプロセスに関与する『高いhigher』(皮質等)場所へと徐々に移動(上昇、拡散)していくのだという理論。
内蔵にも蓄積されるα-シヌクレイン
•パーキンソン病は運動症状発症前(初期症状)より睡眠障害(昼間の過眠、REM睡眠行動異常など),嗅覚障害,痛み,便秘等の自律神経,末梢神経,脳幹等を介した症状が現れることが研究で示唆されている。
(Engelender S et al:2017)?PubMedへ
まとめ
•PDが主にプリオン様疾患であるという概念を支持するα-シヌクレインの解剖学的拡大(上昇、拡散の理論)を確認する患者には、実際の病態生理学的証拠は存在しない。
•ここで提案された機能的閾値理論は、ニューロン(およびそれらの連結脳領域)の機能的予備がネットワーク補償を許容できないときにのみ症状が始まる、疾患の進行を正確に説明する。
•結果として、PDの初期症状は、末梢神 経系から中枢神経系へのα-シヌクレインの広がりよりも、胃腸管、嗅覚系および脳幹のような最も補償の少ないシステムにおいて機能の喪失を反映する。
私見・明日への臨床アイデア
執筆監修|金子 唯史 STROKE LAB代表
・国家資格(作業療法士)取得
・順天堂大学医学部附属順天堂医院10年勤務
・海外で3年に渡り徒手研修修了
・医学書院「脳卒中の動作分析」など多数執筆
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)