vol.103:リハビリテーションにおけるインターネットゲームの有用性 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
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カテゴリー
脳科学系
タイトル
リハビリテーションにおけるインターネットゲームの有用性Using Free Internet Videogames in Upper Extremity Motor Training for Children with Cerebral Palsy ?PMCへScott J. Hunter et al. (2016)
内 容
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
•現代はPC、インターネットが必須の時代である。リハビリにおいても、古典的なものを大切にしながら、新しい物の可能性も受け入れていく必要があると思い、そのエビデンスを調べようと思った。
Introduction
•CPを有する小児は上肢(UE)の運動制御に関連するリーチ・把持・操作等の動作困難を呈することが多い。運動療法は、高強度、反復性、および課題特有のトレーニングが必要です。 退屈とモチベーションの欠如は、トレーニングを行うための大きな障壁です。その練習手段の一つとして、ビデオゲームが用いられているが、それは小児の機能の改善を示すが、①セットアップの煩わしさ②訓練用の物で家庭使用の許可が出てないものがある③科学者やエンジニアによって作成され高価にしている等問題が生じています。
•インターネットゲームは、新しいゲーム開発のコストを低くし、ゲームの種類も豊富で、ゲームを個人の目的に合わせたり、新奇性を維持することを可能にします。子供の関心を合わせることで、治療における良い動機づけになります。
研究内容
•今回、CPの小児が12週間自宅と週二回の通院にてインターネットのゲームを使用した上肢の運動療法を行い、そのメリットを本論文では調査した。
結果
1.全ての参加者は、トレーニング中に高い反復回数を得ました。平均して、500~1480回の反復運動を行いました。
2.インターネットゲームでの介入は訓練室および家庭で提供されることができ、介入前後の「impairment」「function」「performance」の評価が可能であることを示しました。
3.参加者間の高いモチベーションを示しました。ゲームに慣れ、簡単になってしまった時に、ゲームの興味を失ったことを示しました。そのタイミングで子供の興味に基づきゲームを選び、ゲームを変える事で高いレベルの動機づけに関係していました。
論文背景や興味を持ったこと
•一般的な運動療法では100回も回数を重ねないことが多いと思われるが、ゲームでは自然と回数を引き出す可能性を感じました。
•ビデオゲーム機器と比較し、自宅の自身のPCで行えるという利点は、セルフケアとしても期待が高いと思われます。
私見・明日への臨床アイデア
•インターネットやゲーム機器は、3D VRをはじめ、日々進化し可能性を広げており、「高頻度、新奇性、動機づけとその維持、目標に合わせた練習、手軽さ、強度の調整、身体機能・パフォーマンスの継続的な評価」などの運動療法に必要な要素を満たしてくれる可能性がある。
•セラピスト自体に馴染のない事の為、すぐにリハビリに適応する事は難しいが、臨床の一手にならないか、目を向けておく必要があると感じた。
•ゲームだけでなく、映像技術は、何もないところにリアルに光景(例:食卓や道路等)を映し出したりすることが出来、そちらの可能性もリアルな練習場面の設定として有効ではないかと考える。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)