vol.200:視力と方向転換 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス、歩行
タイトル
高齢者の正方形もしくは半円の方向転換時の歩行速度と質量中心における視力の違いによる比較
Comparison of gait velocity and center of mass during square and semicircular turning gaits between groups of elderly people with differing visual acuity.?PubMed Shin SS J Phys Ther Sci. 2015 Feb;27(2):387-8. doi: 10.1589/jpts.27.387.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・高齢者の方向転換時の転倒は多い。視力の違いによる方向転換の比較を試みており、興味深かったため読むことにした。
内 容
背景・目的
・方向転換は日常生活でよく行われる動作である。
・視力はバランスにとって重要な因子であるが、視力と方向転換を検討した論文は少ない。
・本論文は高視力、低視力の高齢女性に正方形、または半円の方向転換をしてもらい、その際の歩行速度と質量中心を比較する。
方法
・20名の高齢女性
・加速度計により歩行速度と質量中心(COM)を計測した。
・被験者は自由速度で正方形の方向転換、半円の方向転換を左周りに行った。
結果
表:実験結果
Shin SS (2015)より引用改変
・正方形、半円の方向転換ともに歩行速度は高視力群が速かった。また、COMの加速度は低視力群で有意に速かった。
私見・明日への臨床アイデア
・高視力群は歩行速度が速いが、COMの加速度は小さく重心を制御できていることが予想される。低視力となりうる眼の疾患や、夜間の移動などは方向転換時のリスクと捉えることができる。視力に関しても情報を集め、利用者様の安全な生活に役立てたい。
職種 理学療法士
病院内 スタッフ育成サポート
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)