vol.230:麻痺側上肢に対するハンドスプリント 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
上肢
タイトル
麻痺側上肢に対する自宅内動的ハンドスプリントの効果
New design of home-based dynamic hand splint for hemiplegic hands: a preliminary study?PubMed Wen-Dien Chang J Phys Ther Sci. 2015 Mar; 27(3): 829–831.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・麻痺側の手指に対するアプローチがなにかないか探しており、本論文に出会ったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・脳卒中後の片麻痺により上肢の運動は制限され、ADLに影響をもたらす。
・反復運動により脳神経の活動を向上させ、損傷部位の再生を促すことが可能である。
・本研究は自宅での動的ハンドスプリントを用いて上肢機能の向上が可能か検討する。
方法
・3名の脳卒中者
・被験者は一般的リハビリテーションに加え、ハンドスプリントを用いた自主トレーニングを一日30分、週5回、3か月間行った。
図:ハンドスプリント Wen-Dien Chang (2015)より引用
・スプリントは指伸展補助を目的としており、補助のレベルは3段階あった。どのレベルかはセラピストが決定した。
・アウトカム計測は実験前、実験後1カ月、実験後3か月に行われた。筋電図とFugl-Meyer assessment、握力、指の力を実施した。
結果
表:実験結果 Wen-Dien Chang (2015)より引用
・指伸展筋筋活動、屈曲筋筋活動、握力、指の力は介入前、介入後1・3カ月で有意に向上した。
・Fugl-Meyer assessmentは介入前、介入後で数値の向上がみられた。
私見・明日への臨床アイデア
・指の伸展をスプリントで補助することで手指機能の向上がみられた。3人と被験者数は少ないため今後の追加研究が必要ではあるが、自宅でできるアプローチとして非常に有効だと感じる。今後の研究に期待したい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)