vol.246:足関節ストレッチング装具の効果とは? 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
足関節の柔軟性と歩行に対するトレッドミル上での足関節ストレッチ機能付き装具の効果
Effect of treadmill walking with ankle stretching orthosis on ankle flexibility and gait?PubMed
Young-ki Cho J Phys Ther Sci. 2015 Apr; 27(4): 1257–1260.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・特殊な装具を用いて足関節背屈向上を試みている論文を見つけ、装着するだけで角度向上が得られるならば簡単でよいと思い、より知りたいと感じたため読もうと思った
内 容
背景・目的
・歩行では適切な足関節の柔軟性が重要であり、柔軟性の低下は足部変形、代償運動による疼痛、跛行などの問題につながる。
・足関節背屈可動域を向上させる方法のひとつに、Ankle Stretching Orthosis (ASO)という装具がある。
・本研究ではASOで足関節背屈可動域向上するかどうか検討する。
方法
・アウトカムとして背臥位、フロントランジ、歩行時の足関節背屈角度を計測した。
・ASOを装着しトレッドミル歩行を15分間実施し、再度上記アウトカムを計測した。
・ASOは距骨と中足骨にストラップがあり、足関節の背屈可動性を高めるように作られている。
結果
表:実験結果 Young-ki Cho (2015)より引用
・介入後、自動他動背屈可動域、ランジ動作中の下腿角度は有意に改善した。また、トレッドミル歩行では踵離地までの足関節最大背屈角度が有意に増加し、さらに踵離地までの時間の延長もみられた。
私見・明日への臨床アイデア
・足関節背屈を促すための装具とトレッドミル歩行により背屈角度向上が得られた。装具に関する情報が乏しいため、装着にどれくらい時間がかかるかなどはわからないが、着けて歩くだけで角度の向上が得られるのは簡便でいいと思う。脳卒中者や足関節周囲骨折後の拘縮患者などには適応なのか、次の研究をみてみたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)