vol.313:膝OA患者の膝アライメントと大腿四頭筋 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
変形性膝関節症患者の膝アライメントと大腿四頭筋の筋活動の関係性
Relationship between knee alignment and the electromyographic activity of quadriceps muscles in patients with knee osteoarthritis.?PubMed Lim SH J Phys Ther Sci. 2015 Apr;27(4):1261-5. doi: 10.1589/jpts.27.1261.
膝の痛み評価は↓↓↓
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・痛みの有無に限らず膝関節の変形を有する利用者様は多い。今回、膝関節アライメントと大腿四頭筋の筋活動を調べた論文を見つけ、臨床に役立てられそうと感じたため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・内反膝では膝内側面の変形進行リスクが4.09倍、外反膝では膝外側面の変形進行リスクは4.89倍と言われている。
・大腿四頭筋の筋力低下が膝OA進行の因子と言われているが、膝アライメントと大腿四頭筋の筋力の関係性はまだよくわかっていない。
・本研究は内側広筋(VM)と外側広筋(VL)の筋電計測からVMとVLの比を算出し、膝アライメントとの関係性を検討する。
方法
・40名の膝OAを有する女性
・立位にて膝のX線画像を撮影し、解剖学的な膝アライメントを計測した。膝の内反具合で程度内反群、中等度内反群、高度外反群とした。
図:膝アライメント計測方法 Lim SH (2015)より引用
結果
表:実験結 Lim SH (2015)より引用
・低度、中等度、高度内反群の3つの群でVM/VL比の有意差は出なかった。
・膝伸展トルクもしくはVM/VL比と膝アライメントに相関関係は得られなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・有意差は得られなかったが、結果を見ると膝内反するほど内側広筋の電位が高くなっている。内反患者は外側広筋の活動が高いと思っていたが違うようだった。今回の計測は座位での等尺性収縮であることが関係しているかもしれない。姿勢、肢位、収縮条件によって筋活動は変わるということを再確認できた。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)