vol.309:コアマッスルリリーステクニックと腰椎変形・腰痛 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)
STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!!
カテゴリー
タイトル
腰椎変形と腰痛に対するコアマッスルリリーステクニックの効果
The effects of core muscle release technique on lumbar spine deformation and low back pain. ?PubMed Lee M J Phys Ther Sci. 2015 May;27(5):1519-22. doi: 10.1589/jpts.27.1519.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・コアマッスルリリーステクニックはどんなアプローチか知りたいと思い、読もうと思った。
内 容
背景・目的
・腰痛は胸腰椎もしくは腰仙骨部に生じ、体幹の筋力低下などが一因となる。
・コアに対するアプローチとして、スタビリティトレーニングやストレッチ、超音波などを用いた視覚フィードバックなど様々あるが、椎体に対するマニュピュレーションやモビライゼーションも広く使われている技術である。
・本研究は体幹筋に対して徒手的に介入を加えた結果、脊椎変形や痛みに変化が生じるか検討する。
方法
・90名の腰椎変形を伴う腰痛患者を3群に分けた
・グループ1:コアマッスルリリーステクニック(CRT)
・グループ2:ウィリアムズ・マッケンジー体操
・グループ3:物理療法
・腰椎アライメントはX線にて計測した。
・CRTは背臥位、膝45°屈曲、股関節は最大外転位とする。横隔膜、腹直筋、腹横筋、腹斜筋、腰方形筋、脊柱起立筋(多裂筋含む)、腸腰筋、骨盤底筋の順にアプローチし、徒手的操作として基本的に筋に圧迫を3~5分加えた。
・グループ2は脊柱屈曲運動と伸展運動を3つずつ行った。
・グループ3はホットパック後、干渉波を腹直筋、腹斜筋、腹横筋、脊柱起立筋、腰方形筋、多裂筋に行った。
結果
表:実験結果 Lee M J (2015)より引用
・3群ともに腰椎アライメントと腰痛に介入前後の有意差が見られた。
・CRTは他の2群よりも改善具合が大きかった。グループ2(ウィリアムス、マッケンジー体操)は物理療法より改善具合が大きかった。
私見・明日への臨床アイデア
・コアマッスルリリーステクニックは体幹の筋を持続圧迫することであった。このテクニックで脊柱アライメントと腰痛の改善が得られた。結果は介入直後のものであり、短期的な改善のみを示したことになる。長期的な効果はどうか、追加研究を見てみたい。
職種 理学療法士
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)