vol.302:肩後面タイトネスと最終域モビライゼーション 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス、上肢
タイトル
肩関節後面タイトネスを有する被験者の肩関節可動域と皮膚温に対する最終域モビライゼーションテクニックの即時効果
Immediate effects of an end-range mobilization technique on shoulder range of motion and skin temperature in individuals with posterior shoulder tightness?PubMed Il-Young Yu J Phys Ther Sci. 2015 Jun; 27(6): 1723–1725.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・モビライゼーションの効果を温度で示しており、興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・肩関節後面のタイトネス(PST)はインピンジメント症候群や腱板断裂などの障害を引き起こす。
・PSTは肩関節内旋制限を有することが多い。可動域制限は血流低下、皮膚温低下などを引き起こす。
・治療法として内旋可動域向上のため肩関節可動最終域でのモビライゼーションテクニックがあるが、まだ十分に研究はされていない。
・したがって本研究は上記テクニックの効果を検証する。
方法
・肩関節後面のタイトネスを有する13名の男性
・肩関節内旋可動域は肩外転90°にて2名の計測者で行った。もう一つのアウトカムとして肩関節皮膚温を前内側、前外側、後外側、後内側、外側面で計測した。
・介入は肩関節90°外転位かつ最大内旋位にてgradeIVの後方すべりモビライゼーションを行った。
結果
・内旋角度は有意に改善し、介入前は42.08 ± 8.51°、介入後は55.69 ± 8.11°(p < 0.001)だった。
・肩関節後外側面の皮膚温も有意に改善が見られ、介入前34.88 ± 1.19 °C、介入後35.43 ± 1.20 °C(p = 0.040)だった。その他の面の温度は有意差が得られなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・最終域でのモビライゼーションにより可動域と皮膚温に差が見られた。シンプルでわかりやすい研究で、臨床で今回のテクニックを使う際の根拠になると感じる。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)