vol.396:脳卒中患者の呼吸機能に対する腰椎安定化エクササイズの効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
脳神経系論文に関する臨床アイデアを定期的に配信中。 Facebookで更新のメールご希望の方はこちらのオフィシャルページに「いいね!」を押してください。」 臨床に即した実技動画も配信中!こちらをClick!!(YouTube)
STROKE LABでは療法士向けの脳科学講座/ハンドリングセミナーを行っています!上記写真をClick!!
PDFでもご覧になれます。→PDF
カテゴリー
療法士専門系
タイトル
脳卒中患者の呼吸機能に対する腰椎安定化エクササイズの効果
The effect of lumbar stabilization exercise on the pulmonary function of stroke patients.PubMed Dae-Sik Oh, PT, MD, Si-eun Park, PT, PhDJ. Phys. Ther. Sci. 28: 1896‒1900, 2016
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・呼吸機能と腰椎の関係性について知識を深めたかったため。
内 容
背景・目的
・脳卒中患者に関して、様々な呼吸療法が報告されているが、一般的な運動療法の臨床応用に関する研究が不足している。
・本研究では、脳卒中患者の呼吸機能に対する腰椎安定化エクササイズ(LSE)の効果を確認することを目的とした。
方法
・脳卒中患者37人を無作為に2つのグループ分けた。
・LSE群:一般的な理学療法を30分間行った後に、LSEを行った。
・GPT群:一般的な理学療法を30分間行った後に、神経発達治療、マット、歩行訓練などを行った。
・介入は週3回、計8週間行った。
・評価項目:FVC(努力性肺活量)、FEV1(1秒量)、FEV1 / FVC(1秒率)、PEF(ピークフロー値)
結果
・LSE群はFVC、FEV1、FEV1 / FVC、PEFで有意差を示した。
・GPT群はFEV1 / FVCでのみ有意差を示した。
考察
・この研究では、腰椎安定化エクササイズが脳卒中患者の呼吸機能に効果を有することを示した。
私見・明日への臨床アイデア
・吸気筋トレーニング(inspiratory muscle training;IMT)が脳卒中でも有用であることが報告されている。体幹の問題を呈する脳卒中患者においては、腰椎の動的安定性を図ることで、トレーニングをより有効に行えると改めて考えることができた。
職種 理学療法士
脳卒中の動作分析 一覧はこちら
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)