vol.183:ブリッジ運動における筋活動 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
頸部、体幹、下肢の筋活動に対するブリッジ運動の効果
Effects of Bridging Exercise Methods on the Muscular Activity of the Neck, Trunk and Lower Limbs ?Jstage Youngsang Ryu Journal of Physical Therapy Science Vol. 23 (2011) No. 6 P 867-869
本論文を読むに至った思考・経緯
・臨床にてブリッジ運動をお願いすることは多い。今回ブリッジ運動の方法と筋活動に着目した論文を見つけ、興味深かったため読むことにした。
論文内容
論文背景・目的
・ブリッジ運動について検討した論文は多々あるが、方法の違いを比較検討した論文は少ない。本論文は異なる肢位でのブリッジ運動の際、頸部、体幹、下肢の筋活動がどう変化するか検討する。
方法
・14名の健常成人
・ブリッジNo.1:背臥位、両上肢を胸部に置く。膝関節は90°にし、ベッドの外に置く。足底は床に完全に接した状態とする。
・ブリッジNo.2:背臥位、両上肢を胸部に置く。膝関節は90°にし、足底は床に完全に接する。
・ブリッジNo.3:背臥位、胸部に両上肢を置き、股関節と膝関節を90°に屈曲する。足底は壁に完全に接する。
図:実験方法
・筋電図は頸部最長筋、胸鎖乳突筋、腹直筋、脊柱起立筋(体幹部)、大腿直筋、大腿二頭筋、前脛骨筋、腓腹筋外側頭に貼付した。
結果
図:実験方法
・頸部最長筋はNo1、3でNo.2より有意に高い収縮が見られた。胸鎖乳突筋に群間の有意差は見られなかった。
・腹直筋はNo.3がNo.2より有意な筋活動の増加が見られた。
・脊柱起立筋はNo.1,2がNo.3より有意な筋活動が認められた。
・大腿直筋はNo.1がNo.2,3より、大腿二頭筋のNo.2はNo.3より有意に強い筋活動が得られた。
・前脛骨筋は群間の有意差なし、腓腹筋外側頭はNo.2,3でNo.1より筋活動が大きかった。
私見・明日への臨床アイデア
・ブリッジ運動の際の足部位置を変えることで全身の筋活動がどう変わるかを調べた論文。各方法ごとに活動する筋が異なるため、対象としたい筋と照らし合わせて使うと有効かもしれない(例えば、頸部伸筋の活動を高めるためにNo.1を使う)。股関節の伸筋としてメジャーな大殿筋の筋活動があると良かった。
氏名 匿名希望
職種 理学療法士
病院内 スタッフ育成サポート
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2017年12月まで7施設の病院からご依頼を頂いており、計14回の講義・実技を行う予定です。
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)