vol.194 :回内足を有するスクワット時の矢状面上の下肢の運動学 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
回内足を有する被験者のスクワット動作下降時の矢状面上の下肢の運動学
The kinematics of the lower leg in the sagittal plane during downward squatting in persons with pronated feet.?PubMed Lee JD J Phys Ther Sci. 2015 Jan;27(1):285-7. doi: 10.1589/jpts.27.285.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・臨床にてスクワット動作をお願いすることは多い。また、内側アーチがつぶれ距骨下関節過回内を呈している利用者も多い。回内足の被験者のスクワットを運動学的に分析するとどうなるのか、興味があったため読むこととした。
内 容
背景・目的
・足部の変化は静的、動的の姿勢安定性に影響を与える。
・回内足はスクワット動作に影響を与えるが、運動学的に検討した論文は少ない。
・本論文は回内足を有する被験者と対照群のスクワット動作を比較し、スクワットに対する回内足の影響を検討する。
方法
・20名の健常成人を2群に分けた(回内足群、対照群)
・動作解析装置を用いてスクワット時の下肢各関節の関節角度を計測した。計測対象は重心下降中のみとし、3相に分けた。
・phase1:開始肢位
・phase2:ハーフスクワット位(膝軽度45°)
・phase3:終了肢位(膝屈曲90°)
結果
表:実験結果
Lee JD (2015)より引用
・重心下降中の膝関節角度に差はみられなかった。
・phase2、3で回内足群は対照群に比べ、股関節屈曲角度が有意に小さかった。
・phase3で回内足群は対照群に比し、背屈角度が有意に大きかった。
私見・明日への臨床アイデア
・回内足群は背屈角度が大きく、純粋な距腿関節の背屈だけでなく、距骨下関節回内での代償も含めた値であると思う。
・足関節での角度が大きい分、股関節では屈曲角度が小さい。回内足を有する利用者はその股関節がうまく使えていない可能性があり、評価が必要であろう。
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職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)