vol.195:脳卒中者と健常成人のスクワット動作における前脛骨筋と腓腹筋の筋活動の違い 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
脳卒中者と健常成人のスクワット動作における前脛骨筋と腓腹筋の筋活動の違い
Comparison of the electromyographic activity of the tibialis anterior and gastrocnemius in stroke patients and healthy subjects during squat exercise?PubMed Dong-Kyu Lee J Phys Ther Sci. 2015 Jan; 27(1): 247–249.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・麻痺を呈する脳卒中者は従重力に身体重心を低くしたとき、健常成人と比較して筋活動にどのような違いを呈するのか知りたいと思った。スクワット動作を比較した本論文を見つけ、読もうと思った。
内 容
背景・目的
・多くの脳卒中者が運動麻痺と筋力低下の症状を呈する。
・スクワット動作は脳卒中者の荷重練習や筋力強化として用いられるが、その際の前脛骨筋、腓腹筋に着目した論文は見当たらない。
・本論文では脳卒中者のスクワット時の前脛骨筋と腓腹筋の筋活動を筋電図を用いて比較する。
方法
・脳卒中者15名
・表面筋電図を前脛骨筋と腓腹筋に貼付
・スクワット動作時の筋活動を記録。スクワットを重心下降期、維持期、上昇期に相分けした。
結果
表:実験結果
・脳卒中者の重心下降期で前脛骨筋は有意に高活動がみられた。
・維持期でも同様に前脛骨筋に有意差がみられた。
・脳卒中者の上昇期は腓腹筋の活動が有意に低かった。
・他動背屈可動域は脳卒中群で低下がみられた。
私見・明日への臨床アイデア
・脳卒中群は健常成人に比して前脛骨筋の高活動が下降期、維持期に見られた。重心を低くする際の下腿の前傾を担うためと思われる。脳卒中群は背屈可動域制限もあるため、筋力によって制限を補おうとしたのではないか。
・臨床現場ではこれらのデータを参考にしつつ、実際の動作を観察し推論をしていきたい。
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職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)