vol.196:口の運動は頸部屈筋にどのような影響を与えるのか? 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
健常成人の開口における深部頸部屈筋厚の変化
The effects of mouth opening on changes in the thickness of deep cervical flexors in normal adults
?PubMed Ilsub Jun J Phys Ther Sci. 2015 Jan; 27(1): 239–241.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・食事の際の咀嚼や開口に対して頸部がどう影響するか知りたかったため、本論文を読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・頸部の筋は顎口腔系の筋に影響し、お互いに影響しあう。
・顎関節の障害は頸部の屈筋、伸筋の筋持久力に影響与えると報告もある。しかし、科学的な検証は十分とは言えない。
・本論文では頸部と顎関節の運動学的関係性を深部頸部屈筋の筋厚で比較検討する。
方法
・50名の健常成人
・超音波を用い、深部頸部屈筋の筋厚を50%開口位、100%開口位、閉口位の3条件を計測し、さらに開口・閉口位それぞれで等尺性収縮を行わせ、その際の筋厚も計測した。
結果
表:実験結果
・100%開口位は50%開口位に比して深部頸部屈筋の筋厚が大きい値を示した。
・開口位での等尺性収縮は100%開口と同様の筋厚を示した。
私見・明日への臨床アイデア
・努力的な開口は頸部屈筋の筋厚値が大きくなった。顎関節運動時の土台として頸部が安定する必要があるのだと解釈した。食事動作を見る際に頸部のアライメント、筋緊張を見ることは必須だが、論文的にも裏付けされたと考えられるだろう。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)