vol.245:第2弾 ハイヒールとバランス 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
立位時の足圧中心と静的バランスに対する修正版ハイヒールの効果
Effect of revised high-heeled shoes on foot pressure and static balance during standing?PubMed Young-Hyeon Ba J Phys Ther Sci. 2015 Apr; 27(4): 1129–1131.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
ハイヒールによって立位や歩容が変わることは容易に想像できる。今回、足圧中心と静的バランスがどう変わるかを検討した論文を見つけ、興味を持ったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・ハイヒール靴(HHSs)は踵がつま先部より高い靴と定義され、37~69%の女性がHHSsを日常生活で履いているという。
・HHSsの使用は下肢脊柱のアライメント崩れにつながり、頭部前方移動、腰椎過前彎、骨盤前傾、膝外反を呈することが多い。HHSsの影響は靴を脱いだ後にも続くという実験結果もある。
・筆者らが修正版HHSsはこれらの一般的HHSsの弱点を補うものである。本研究はこの修正版HHSsが足圧中心と静的バランスに与える影響を検討する。
方法
・15名の女性を2群に分けた
・一般的HHSs群(踵高7cm)、修正版HHSs群(踵高7cm)
・修正版HHSsは踵部の衝撃吸収材と特殊なウェッジにより見た目の踵高より踵位置が低くなるようにし、より生理的な姿勢に近づくようにできている。
・足圧中心機器を用いて測定し、静的バランスは開眼、閉眼、スクリーンによる視覚遮断の3条件で計測した。静的バランスの計測方法は十分な説明がなかった。
結果
表:実験結果 Young-Hyeon Ba (2015)より引用
・修正版HHSsの前足部圧は51.5%、一般的HHSsは62.0%で、有意差がみられた。
・静的バランスは3条件全てで修正版HHSsが高いスコアを示したが、群間の有意差は得られなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・修正版HHSsの方が後足部への荷重が強く、静的バランスの改善が得られていた。みかけよりも踵高を下げるというアイデアは面白いため、歩行や転倒リスクなどその他の指標でも検討すると実用化に近づくのではないかと考える。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)