vol.306:2型糖尿病患者と他動静的ストレッチング 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
2型糖尿病患者の血糖値に対する他動静的ストレッチングの効果
Effects of passive static stretching on blood glucose levels in patients with type 2 diabetes mellitus.?PubMed Park SH J Phys Ther Sci. 2015 May;27(5):1463-5. doi: 10.1589/jpts.27.1463.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・糖尿病を有する利用者様は多く、臨床でもよく遭遇する。ストレッチングと血糖について調べた論文を見つけ、ストレッチングが有効かどうか興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・糖尿病の有病率は世界中で増加しており、特に2型糖尿病にその傾向が強い。
・運動は2型糖尿病に効果があり、様々なタイプの運動の有効性が報告されている。
・他動静的ストレッチングは運動に消極的な傾向をもつ2型糖尿病患者にとっても受け入れが良いと考えられ、糖尿病に対しても効果的なのではと仮説を立てた。
・したがって本研究は他動静的ストレッチングが2型糖尿病患者の血糖値に与える影響を検討する。
方法
・2型糖尿病で入院中の患者15名
・実験群(他動静的ストレッチングPSS)8名と対照群7名
・対照群は糖尿病の食事と服薬を継続し、特に運動は行わなかった。
・実験群は上記治療に加え、下肢に6つ、上肢に4つのストレッチングを行った。週3回を8週間継続した。
・血糖のレベルとしてHbA1cを計測した。
結果
表:実験結果 Park SH (2015)より引用
・対照群は介入前後の有意差が出なかったが、実験群では有意な改善が見られた。
私見・明日への臨床アイデア
・他動静的ストレッチングにより血糖値の減少が得られた。今回は他動だが、セルフストレッチングでも効果は同様なのか、どう患者にセルフストレッチを継続してもらうのか検討していきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)