vol.289:頸部ストレッチと肺活量 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
肺活量に対する頸部ストレッチの効果
Effects of cervical self-stretching on slow vital capacity.?PubMed
Han D J Phys Ther Sci. 2015 Jul;27(7):2361-3. doi: 10.1589/jpts.27.2361.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・呼吸補助筋がある頸部に対するアプローチは呼吸にどう影響をもたらすのか興味を持ち、本論文を読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・呼吸筋は吸気筋と呼気筋に分けられ、主吸気筋は横隔膜と外肋間筋になる。胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋、前鋸筋は補助的な吸気筋であり、これらの筋のセルフストレッチは呼吸機能の改善に役立つと仮説を立てた。
・本研究は頸部筋のストレッチが呼吸機能の改善に効果があるか検証する。
方法
・30名の健常成人
・実験群(頸部ストレッチ実施)と対照群(治療なし)の2群に分けた。
・介入は日に2回、週4回、4週間とした。対象の筋は胸鎖乳突筋、斜角筋、僧帽筋上部線維、肩甲挙筋とした。
・expiratory vital capacity (EVC:呼気肺活量)、expiratory reserve volume (ERV:予備呼気量)、 inspiratory reserve volume(IRV:予備吸気量),、expiratory minute ventilation (VE:分時呼吸量)、inspiratory capacity (IC:最大吸気量)をアウトカムとした。
結果
表:実験結果 Han D (2015)より引用
・実験群のEVC、ERV、IRは介入前後の有意差が得られたが、VE、IEに有意差は得られなかった。
・対照群のEVC、IRV、ICは介入前後の有意差あり、ERV、VEは有意差がなかった。
・EVC、ERV、IRV、ICは実験群が対照群に比して有意に改善を示していた。
私見・明日への臨床アイデア
・頸部ストレッチと肺活量のパラメータを改善させることがわかった。非常な簡便な方法のため、自主トレーニングとして指導すると良いと思う。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)