vol.281:閉眼とトレッドミル歩行の効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
慢性期脳卒中患者の歩行とバランスに対する閉眼位トレッドミルの効果
Effects of treadmill training with the eyes closed on gait and balance ability of chronic stroke patients?PubMed Yong-Wook Kim J Phys Ther Sci. 2015 Sep; 27(9): 2935–2938.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
閉眼でのトレッドミルはバランスや歩行に有効な印象を受け、本論文を読みたいと思った。
内 容
背景・目的
・閉眼位でのトレッドミル歩行はバランスや歩行に有効と言われているが、脳卒中者で試した論文は少ない。従って、開閉眼位でのトレッドミル歩行が脳卒中者のバランス能力と歩行にどう影響を及ぼすか検証する。
方法
・37名の脳卒中者(発症から1年以上経過)を閉眼位(TEC群)と開眼位(TEO)に分けた。
・歩行は至適速度10分間の歩行距離、ステップ長、歩行能力(AI)を、バランスはlimit of stability (LOS) testを用いて立位時の8方向の重心移動距離を計測した。
・トレッドミル歩行は週3回を4週間実施した。
結果
表:実験結果 Yong-Wook Kim (2015)より引用
・歩行距離、ステップ長(麻痺側)は閉眼トレッドミル群で有意に改善度が大きかった。
・歩行能力(AI)では、閉眼群で介入前後の有意差が得られたが、開眼群では有意差がなかった。
・バランス能力の群間の有意差は総スコア、麻痺側外側方向、非麻痺側前外側方向においてみられ、閉眼群がより改善度が大きかった。
私見・明日への臨床アイデア
・閉眼でのトレッドミルによって開眼トレッドミルよりも歩行やバランス能力を改善させることがわかった。リスクを管理したうえで実行していきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)