vol.337:立ち上がり時バランス評価のための加速度計 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス
タイトル
立ち上がり時のバランス評価のための加速度計の感度
Sensitivity of accelerometry to assess balance control during sit-to-stand movement.
?PubMed Janssen WG IEEE Trans Neural Syst Rehabil Eng. 2008 Oct;16(5):479-84. doi: 10.1109/TNSRE.2008.2003386.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・臨床における立ち上がり時のバランス評価として加速度計が有効という論文を見つけ、興味深かったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・バランスコントロールをどう評価するかは議論の対象になることであり、加速度計によって体幹の動揺を計測する方法はまだ十分に検証されていない。また、立ち上がり動作に加速度計を用いた論文もまだない。
・したがって、本研究は立ち上がり動作におけるバランスコントロールの評価として加速度計の感度が有効か検討する。
方法
・11名の健常成人、31名の脳卒中者
・加速度計を胸骨に装着し、横方向の重心移動を計測した。床反力を計測し、被験者の立ち上がりで両計測器に相関があるかを検証した。健常成人においては以下4条件で立ち上がりを行った。
①硬い地面での立ち上がり
②10cmの厚さの台からの立ち上がり
③バランスボード上
④硬い地面で片脚の立ち上がり
・得られた加速度計のデータはハイパスフィルタを行い、二乗平均平方根(rms)とarea under the curve (AUC: グラフの曲線より下の部分の面積)を求めた。
結果
・床反力計と加速度計(横方向の重心加速度)の相関係数はrmsとAUC: グラフの曲線より下の部分の面積)をで0.77、AUCで0.58だった。
私見・明日への臨床アイデア
・臨床場面での動作分析はセラピストの眼で行うため、主観が伴いやすい。加速度計を用いて客観的にデータを記録できれば、より確かなリハビリを提供できるのではないか。臨床研究にも活かすことができると思う。
職種 理学療法士
塾講師陣が個別に合わせたリハビリでサポートします
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)