半球間抑制のメカニズムとは!?文献から脳卒中患者のリハビリの治療戦略を探る – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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半球間抑制のメカニズムとは!?文献から脳卒中患者のリハビリの治療戦略を探る

 

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カテゴリー

脳卒中 脳科学系 上肢  

 

タイトル

 

使用依存の半球バランス Use-Dependent Hemispheric Balance(クリックにてアブストへ) Laura Avanzino:he Journal of Neuroscience, March 2, 2011・31(9):3423–3428

 

内容

背景・目的

●脳卒中患者の重度な症例はより顕著に非損傷側M1の活動の増加と損傷側M1への半球間抑制を呈している
 
●皮質興奮性におけるこれらの変化は,麻痺手の非使用によるものなのか,非麻痺手の使いすぎで代償したのかははっきりしない
 
●そこで,異常な非対称の使用によって皮質の変化が誘発されるかを調査

 

対 象

●対象者19名で2つのグループに分けた(G1:12名 G2:7名)
 
●2つのグループは年齢・性別を一致させた(G1:25.4±3.0歳 女性6名 G2:25.0±2.0歳 3名女性)
 
●利き手は全員右利き,除外基準は右手に整形外科の問題、神経障害の既往歴がないこと

 

方 法

●対象者は朝8時から夕方6時の10時間,右手を動かさないように指導
 
●右手の動きを防止するために,ソフト包帯を着用.右手を固定し,左手を固定せず自由に動けるG1のグループと左手の動きに制限をかけたG2のグループの2つのグループのM1の興奮性と脳梁の相互作用の両方を調査
 
●筋電図とTMSによって評価,筋電図は第一背側骨間筋で記録
 
●TMSはMagstim200磁気刺激装置(Magstim社)を用いて実施
 
●0.05 mVのMEPを生成し,安静時運動閾値(RMT)を設定され,最大刺激出力のパーセンテージとして表示

 

統 計

●対応のあるT検定で固定前後を比較
 
●TMSの編成曲線データは反復測定分散分析によってそれぞれのグループとそれぞれの半球に分けて解析 ●有意水準は0.05%と設定し,分散分析で有意な相互効果が見られれば,フィッシャー検定を用いて事後の比較を実施(spss13)

 

結 果

キャプチャ1 キャプチャ2 出典(クリックにて原著へ):http://www.jneurosci.org/content/31/9/3423.full.pdf+htmlより修正・引用
 
●G1とG2グループの両方で左半球のMEPサイズが減少,G1グループのみ右半球のMEPサイズが増加
 
●左から右の半球抑制はG1グループとG2グループの両方で減少し,右から左の半球間抑制はG1グループのみ増加  

 

明日への臨床アイデア・感想

●TMSなどの細かい設定や統計学的解析に関しての理解が難しかったが,健常人においても短時間の上肢の固定で半球バランスが崩れる事がわかった
 
●脳卒中の患者でも半球間バランスは崩れていることが示唆され,非麻痺側のoveruseなのかor麻痺側のdisuseなのかを見極めながら介入戦略を立てる必要があると考える
 
●また,麻痺側上肢をいかに生活場面で使用するかということやスリング使用の有無,使用時間なども考慮する必要がある  

 
 
 
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