<第5回:脳科学講座Blog>なぜ脳画像をみるのか?~脳画像読影How to編~
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なぜ脳画像をみるのか?
脳卒中の患者さんを担当する際,脳画像をみていますでしょうか?
同じような麻痺,同じような高次脳機能障害,同じような運動パターン・・・
症状・様相・パターンは一緒のようにみえても,そこに至っているメカニズムは異なっているかもしれません
そうなると,おのずとアプローチの方法も変わってくることが窺われます.
以下に,なぜ脳画像をみるのか?のポイントをあげます.
一時的な問題点の把握・予後予測など,リハビリテーションプログラムの立案に役立つ
患者様の本質的な問題点を理解し,治療戦略を立案できる
病巣を把握しておくと,予後予測の精度が上がる
患者さんの身体に触れて考えることも重要ですが,画像読影からある程度の予測を立てた上での介入には無駄が少なくなり,患者さんへの身体的負荷・ストレスを軽減させることができます.
脳画像読影のHow to
脳画像読影において,まず何が重要か・・・
それは・・・ランドマークを把握することにあります.
なぜランドマークを把握することが重要なのか?
患者さんの身体に触れる際,セラピストは筋骨格系に精通しているわけですから,必ず触診にて筋肉を触れていきますよね?
触診する際には,必ず身体の目立つポイント(ランドマーク)を見つけることと思います.
脳画像読影も同様です!
読影していく際には,脳内のランドマークを把握していきます.
以下に,ポイントとなるランドマークをいくつかあげていきます.
側脳室
CTとMRIにて最も目立つ構造物が,側脳室になります.
側脳室の形状を把握しておけば,どの高さでスライスした画像なのかが分かります.
中心溝
中心溝の同定方法には,①pre-central knob②帯状溝辺縁枝が重要です!
頭頂後頭溝
側脳室体部がみえるレベルから見え始めます.大脳内側面の後部に存在する深い脳溝です.
外側溝
外側溝の同定には,島が重要になります.赤い円で囲まれているのが島になります.
島から外側に伸びている脳溝のうち後方にあるのが外側溝後枝,その前方にあるのが外側溝上行枝になります.
https://youtu.be/dN54G9eAhl0
上の動画,は脳科学講座の講義一部分です.
最後は,恒例になってきましたWorkshopにて,受講生同士でInputsした内容をOutputsし合うという学習の定着にはうってつけの手段にてディスカッションされていました!!
(編集:齋藤 潤孝)
お知らせ information
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)