vol.123:ミラーニューロンと歩行 脳卒中/脳梗塞リハビリ論文サマリー
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therapy on gait and balance in stroke patients. ?PubMed Lee HJ, J Phys Ther Sci. 2017 Mar; 29(3):523-526. doi: 10.1589/jpts.29.523.
本論文を読むに至った思考・経緯
ミラーセラピーに関する論文を読んだことがなく、一度読んでみたいと思った。本論文はミラーセラピー以外に動作を録画したビデオを観ることで同様の効果があるか検討しており、興味深かったため本ブログに掲載することにした。
論文内容
研究背景・目的
・ビデオでの動作鑑賞とミラーセラピーの効果を検証する。
研究方法
・入院中の脳卒中者35名を無作為に3グループに分ける。
・介入は週3回、6週間。
・動作鑑賞+練習群:ビデオを15分間観たあと、同じ動作を15分間練習する(12名)。
・ミラーセラピー+練習群:ミラーセラピー15分後、同様の動きを鏡なしで15分間練習する(11名)。
・動作鑑賞のみ群:ビデオのみ(12名)。
・全グループともに理学療法30分を週2回受けた。
・第1段階は膝伸筋と足背屈筋、第2段階は膝屈筋と足背屈筋、第3段階は股・膝関節屈筋と足背屈筋のトレーニングを行う。それぞれ2週間ずつ。
・アウトカムは介入前後に計測し、項目は静的バランス(Overall balance Index)と歩行(modified Functional Ambulation profile)
研究結果
・動作鑑賞+練習群で介入前後の静的バランスの値に有意差があったが、それ以外の群には有意差がなかった。また、群間での有意差はなかった。
・歩行では動作鑑賞群+練習群とミラーセラピー群に介入効果が見られた。群間の有意差はなかった。
Lee et al (2017) より引用
興味深かったこと
・ミラーセラピーの効果を知りたくて本論文を読んだが、ビデオを見ることでもミラーニューロンを刺激し、静的バランスと歩行に効果が見られた。ミラーセラピーより簡便な方法(ビデオを見るだけ)で効果があるのであれば臨床で使いやすいと感じた。
私見・明日への臨床アイデア
・ビデオで動作を観ることで静的バランスと歩行に効果があった。臨床ではビデオでなくても、セラピストが動きを見せることで同じような効果が得られるかもしれない。
・ビデオであれば自宅で見ることも簡単にでき、ホームエクササイズとして取り入れらるのではないか。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)