vol.205:歩行速度とQOL・費用等の関係性 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
歩行
タイトル
歩行速度とQOL・費用等の関係性Walking speed predicts health status and hospital costs for frail elderly male veterans.?pubmedへ Purser JL et al.(2005)
本論文を読むに至った思考・経緯
•歩行速度を評価する方は多いと思われる。その「歩行速度」の変化で何が言えるか?予後予測に関する論文があり興味を持ち読むに至る。
論文内容
背景
•歩行速度の評価は、5分以内で完了出来、特別な場所を必要とせず、安価な測定器で測定でき信頼性が高い実用的な評価方法です。hokou
•最近の研究によれば、歩行速度によって、退院後の地域に戻った際の高齢者の罹患率・施設への入所率・生存率が予測できます。
•この研究は急性期治療の環境ではほとんど行われていません。
研究目的
•本研究では、高齢者における歩行速度と医療関連のサービスの利用・1年間の介護費用・1年間で変化したQOLと身体機能との関連を評価した。
研究方法
•退役軍人の健康管理を行う管理室(VA)の高齢者評価管理(GEM)の病院入院患者を1年間追跡した。研究データは入院、退院、および12ヶ月の評価であった。
•ヘルスケアの使用と費用は、VAのコンピュータ化された記録から得られた。
•65歳以上で、スクリーニング基準を満たし、少なくとも48時間入院する可能性のある患者であった。基準は、脳卒中・2回以上の転倒・計画外入院(3ヵ月前)・長期入浴(入院2週間前)・歩行困難・失禁・毎日の5つの基本的活動の1つ以上に介助を要する・栄養失調(血清アルブミン<3.5 g / dLまたは<理想体重の80%)・認知症・またはうつ病のいずれかである。
研究結果
•ベースラインからの歩行速度の0.10m / sの減少は、健康状態の悪化、身体機能の低下、障害の増悪、訪問リハビリ利用の増加、往診医利用の増加、入院の長期化、金銭面の負担の増加と関連していました。
•歩行速度が0.10m / s / yr増加するごとに、健康状態が改善され、身体機能が改善され、手段的日常生活動作の障害の減少、入院日数が減少し、1年間の金銭面の負担が削減された。
•歩行速度は、急性で入院した高齢者の機能評価に役立ちます。 歩行速度の経時的測定は、退院後の健康関連サービスの使用をする人の予測に役立ちます。
私見・明日への臨床アイデア
•「歩くのが速くなった」という結果がどう本人にとってメリットがあるのかを示してくれる論文であった。歩行速度の変化にも注目し、予後予測に役立てたいと思う。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
脳卒中自主トレ100本以上 一覧はこちら
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)