vol.223:脳卒中者の歩行と股関節伸筋トレーニング 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
バイオメカニクス、歩行
タイトル
脳卒中者の骨盤制御と歩行に対する筋トレの効果
Effect of a muscle strengthening exercise program for pelvic control on gait function of stroke patients?PubMed Byoung-Sun Park J Phys Ther Sci. 2015 Mar; 27(3): 641–644.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・脳卒中者に対し股関節伸筋に対してアプローチすることは多い。今回、シンプルに股関節伸筋を筋トレした際にどういった効果があるか検討した論文を見つけ、読むことにした。
内 容
背景・目的
多くの脳卒中者が自宅内での移動に困難さを覚える。本研究では歩行に際して重要な股関節伸筋に着目し、筋力強化によって脳卒中者の骨盤操作と歩行がどう変わるかを検討する。
方法
・15名の脳卒中者
・5つの股関節伸筋トレーニング
- 股関節伸展と骨盤後傾運動
- 両下肢の伸展回旋運動
- セラピーボールを使用して股関節と骨盤の運動
- 側臥位での股関節伸筋筋力トレーニング
- 腹臥位での股関節伸展筋力トレーニング
・上記プランを週3回、4週間実施。
・アウトカムは10m歩行テスト、BBS、歩行能力(歩行速度、1歩行周期時間、麻痺側立脚時間、麻痺側ストライド長)を計測した。麻痺側、非麻痺側の対称性をsymmetry index (SI)で示した。
結果
表:実験結果 Byoung-Sun Park (2015)より引用
・歩行速度、麻痺側立脚期、歩行対称性(SI)は介入前後で有意に改善した。
私見・明日への臨床アイデア
・股関節伸筋と骨盤運動によって麻痺側立脚期の改善や歩行速度が上昇した。股関節伸筋トレーニングに効果があったことに加え、骨盤運動により腹圧の上昇や体幹と股関節の選択的な運動を促せたと思われる。今回のデータを用いることで、利用者様へより確かな根拠を持って説明できるだろう。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)