vol.275:Fast FESを用いた歩行トレーニングの効果 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
歩行
タイトル
Fast FESを用いた歩行トレーニングの効果
Effects of fast functional electrical stimulation gait training on mechanical recovery in poststroke gait.?PubMed Nils A. Hakansson et al.(2011)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・Fast FESという言葉の実際を知ろうと思い本論文に至る。
内 容
背景
・速い歩行中に適用される機能的電気刺激(FES)は、歩行能力・歩行速度および持久力・バランス・活動および脳卒中後の参加の改善につながる有効な歩行リハビリ戦略である。しかしFast FES歩行訓練が力学的エネルギー利用に及ぼす効果は十分に理解されていない。
目的
・研究目的は、12週間のFast FES歩行訓練が脳卒中後の歩行の力学的な回復指数に及ぼす影響を試験することであった。
方法
・運動学的データは、12週間のFast FESトレーニングの前後で、11人の脳卒中者から収集した。
・11人の慢性脳卒中者(男性6名、平均年齢64±8歳、脳卒中後平均月数50±40月、平均Fugl-Meyer(LE)スコア17±3)が参加した。
・ トレーニングの速度は、参加者の最大歩行速度に基づいており、4週間ごとに更新した。
・訓練中に、表面電気刺激電極を用いて背屈筋および底屈筋にFastFESを送達した。
・ 刺激(30Hz、300μsパルス、持続時間300ms)を送達した。 電気刺激タイミングは、被験者の靴の前足部および後足部の足裏に取り付けられた2つの圧縮制御式フットスイッチからの入力を使用して、特注のリアルタイムコントローラを使用して制御した。
・力学的回復は、COMエネルギーの三平面の正の変化から計算した。
結果
・FastFESトレーニング前の被験者の平均力学的回復率は34.5%(範囲18.4〜52.9%)であった。 12週間のFastFESトレーニング後、被験者全体の平均力学的回復率は40.0%(範囲30.0〜58.8%)であった。この増加は統計的に有意であった。
・12週間のFast FES訓練後、平均自己選択歩行速度は0.4m / sから0.7m / sに増加した。
・この結果は、被験者がFast FES歩行訓練後の歩行の外部力学的エネルギーをより良く生成し利用できることを示している。
私見・明日への臨床アイデア
・上肢課題指向訓練と同様に出来そうで出来ない最大速度を選択している。トレッドミルは、ひとによっては適応が上手く出来ず外乱となってしまう場合もあると考える。そのため、人に合わせ歩行環境は選択を要すると考える。電気刺激は、一定リズムでないと違和感に感じてしまう為、本論文のような装置は一定の良い求心性のフィードバックが入ると考える。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)