Vol.431.健康高齢者はどのように手を使用している?健康高齢者の手の用途とその頻度
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カテゴリー
タイトル
●健康高齢者はどのように手を使用している?健康高齢者の手の用途とその頻度
●原著はFrequency of Hand Use in Healthy Older Personsこちら
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
●脳卒中患者の麻痺手の使用を考える前に、健常者はどのように使用しているのかを学ぶ必要があると考え本論文に至る。
内 容
背景
●研究目的は、健康高齢者の手の用途とその頻度を調査する事でした。
方法
●59歳から77歳の10人の女性と5人の男性を含む15人のボランティアが研究に参加した。午前10:00から午後2.00までの日常生活を行っているときにチェックリストを使用して、手の使用の種類と頻度が観察された。
結果
●利き手は非利き手よりも頻繁に使用された。(72.5%対63.7%)。利き手は、利き手以外の手よりも約1.3倍物を握るの動作が観察されたが、指先と手全体の握りの比率はほぼ同じでした。
●被験者は主に、バランスを取るためでなく、物をつかみ操作するために手を使いました。
●指先で物を操作する頻度と、手全体を使用する頻度との間に有意差はありませんでした。
●被験者は両手での活動において、片手のみでの活動または活動なしよりも手を使用していました(両手作業の活動は54%、片手作業の活動は29.4%)。
●本研究は、健康高齢者が日常生活を行う際に自然に手を使う方法についての洞察を提供する。利き手は非利き手よりも多く使用されるが、両手一緒に使用する両手作業が最も多かった。
私見・明日への臨床アイデア
●片手の使用よりも両手動作が多いことが示唆された。脳卒中患者の手の治療をするに当たっても、麻痺手だけで行う課題だけでなく、両手動作の課題や両手動作を想定したときに必要な麻痺手の役割を考え練習する必要があると思われる。
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)