脳卒中×触診―大腿四頭筋(大腿直筋-外側広筋-中間広筋-内側広筋)の起始停止と片麻痺歩行の特徴について―
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今回は大腿四頭筋の触診をしていきます
大腿四頭筋の詳細
大腿四頭筋は大きく4つの筋に分かれます。
大腿直筋は股関節の屈曲と膝関節の伸展に働き、外側広筋・内側広筋・中間広筋は純粋な膝関節の伸展に働きます。
大腿四頭筋と片麻痺歩行の特徴について
・大腿四頭筋は膝関節の伸展に働くため、下肢に体重をかけた時に膝が折れないようにしている筋です。よく脳卒中の方で起こるのが麻痺側下肢に荷重をかけると膝が矢状面または前額面上で動揺が生じたり、膝が折れてしまうことです。
・このような方は大腿四頭筋の筋力低下や使用方法がよくわかっていないことが多くあります。
・大腿四頭筋が使えなくなると下の写真のように膝をロックして伸展位にし、骨盤を前傾することで下肢後面の筋や靭帯の張力で支えるようになります。
・このような方は伸ばされながら活動する遠心性収縮が学習できていません。
・この状態が続くと膝が弓なりに変形してしまい(反張膝)、痛みを生じることがあります。
・また反り腰のような状態となり腰背部痛が出現することもあります。
・その他にも抗重力伸展方向に伸びる機会が減少してしまうため、大腿四頭筋や下腿三頭筋が短縮してしまいます。以上のことから大腿四頭筋の状態を確認することはとても重要であることが分かります。
大腿四頭筋の触診
まとめ
大腿四頭筋とロッキング歩行の関連性は深いです。また二関節筋で筋の部位によってはこう緊張と低緊張、マルアライメントが混在しているので、適切な触診スキルが必要になります。
執筆
氏名 西坂 拳史朗
所属 STROKE LAB
職種 理学療法士
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脳卒中×触診 距腿関節背屈【長趾伸筋ー腓骨筋ー前脛骨筋起始停止】片麻痺 歩行と荷重の関係
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)