vol.386:Ib反射は姿勢の違いで反応は異なるのか? 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
Ib反射の姿勢条件による反応の変化
Ib反射の姿勢条件による反応の変化Both standing and postural threat decrease Achilles’ tendon reflex inhibition from tendon electrical stimulation.PubMed Horslen BC et al.(2017)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・Ib抑制は臨床上でもよく介入手段の理論として用いることが多く、ストレッチなどでもよく聞かれる言葉でもある。
・今回は、Ib抑制に関わる実験をしており、その振る舞いに興味を持ったため読むこととした。
内 容
背景・目的・方法
・ゴルジ腱器官(GTO)およびそれに付随するIb reflexesは、立位バランスに寄与するが、Ib reflexesが及ぼす立位バランスへの潜在的な影響は不明です。
・Golgi Tendon Organs(GTO)は、筋 – 腱接合部(MTJ)に位置する筋肉の機械受容体であり、収縮筋線維と直列に配置される。GTOは、特に活動的な筋収縮から、腱に加えられる引張荷重に敏感である。
・Ib反射は、人が寝ているいるときや座っているときにはほとんど抑制されますが、立っているときは抑制が減り、歩行時には正味の反射が興奮することがあります。
・アキレス腱へ腱への電気刺激を用い、姿勢または高さによってのIb抑制の変化を探知することを目的とした。
・実験1:lying prone 対 standing
・実験2:低い台(0.8mの高さ、縁から0.6m) 対 高い台(3.2mの台の端)の上に立つ
結果
・参加者が直立している間、腹臥位(42.2%)に比べてIb抑制は減少を示した。
・低い所で立っている状態(32.4%)と比較して、高い状態のときにさらに減少を示した。
・これらの実験は、腱の電気刺激が、立位バランスに関与する筋におけるIb反射を調べるために使用できることを示しているため、将来の研究に影響を与える。
私見・明日への臨床アイデア
・ストレッチを立位で行う事が多いと思うが、臥位と立位でIb反射の変化が起こるため、そのストレッチ効果に違いが出てこないかが気になる所である。今後、姿勢や環境の違いで変化量の違いが出てこないかなど確認していきたい。
氏名 shuichi kakusho
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)