vol.382:MRIで診るACA梗塞の臨床的特徴とは? 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
MRIで診るACA梗塞の臨床的特徴とは?
Anterior cerebral artery infarction: stroke mechanism and clinical-imaging study in 100 patients.Kang SY et al. Neurology. 2008 Jun 10;70(24 Pt 2):2386-93.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・画像を診る力やそこからの応用力に未だ乏しい面があり、学習の一助として本論文に至る。
内 容
背景/目的
・脳卒中のメカニズムと前大脳動脈(ACA)領域の梗塞の臨床的特徴は滅多にMRIを使用して調べられていません。
・本研究目的は脳卒中の機序を検証し、臨床像との相関を確認することです。
方法
・ACA梗塞の100人の患者の臨床像、MRI、および血管造影所見が研究されました。
結果
・運動機能障害(n = 91)が一般的な症状でした。
・重度の運動機能障害は補足運動野や中心傍小葉病変と関連していた。
・意欲減退/無感情(n = 43)は前頭葉の前頭極、脳梁/帯状回および上前頭回の関与と関連しており、両側性の患者でより頻繁に発生し、それに続き左脳病変で観察された。
・尿失禁(n = 30)は特定の病変部位とは無関係であった。
・把握反射(n = 25)は脳梁の関与と関連していた。
・血管造影(主にMR血管造影)の結果は、68人の患者がACAアテローム性動脈硬化症を患っていたことを示した。
私見・明日への臨床アイデア
・ ACAの限局性の梗塞例の発生頻度は全脳梗塞例の約0.55%と極めて少なく、下肢に強い麻痺、精神症状および発症時の無言の出現頻度が高いと言われます。画像を診る力を養い、患者像を深められるようにしていきたい。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)