vol.232:対象物の急な変化に対するリーチ動作中の手の反応  脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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vol.232:対象物の急な変化に対するリーチ動作中の手の反応  脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

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カテゴリー

神経系

 

タイトル

対象物の急な変化に対するリーチ動作中の手の反応

Control of hand shaping in response to object shape perturbation.?PubMed Ansuini C et al.(2007)

 

 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・どのような動作であれ、環境や扱う物の少しの変化で、動作はそれに合わせ変化する。認知と運動との関連について興味を持ち本論文に至る。

 

内 容

背景

 

・手は非常に複雑な生体力学システムであり、27本の骨、18の関節、39の内および外在筋、20度以上の自由度を持ちます。この生体力学的な複雑さは、中枢神経系(CNS)がどのようにして指の動きと力を制御するかという問題を提起します。

 

目的

 

・本研究では手の形状が対象物の形状の摂動にどのように反応するかを評価した。

 

方法

 

・25人の被験者(13人の女性と12人の男性、21〜29歳)が実験に参加した。参加者は右利きで、視力は正常であった。

 

・被験者は、聴覚信号を聞いた後、物体にリーチし、把持し、持ち上げることを求められました。

 

・凹凸の対象物は、装置内で背中合わせに収容されており、片面だけが見えるようにして実験が行われました。

 

・Blocked condition:被験者は、凹状または凸状の対象物にリーチを行い、把持をして持ち上げるように指示された。Perturbed condition:リーチ開始後すぐに、装置は回転し、提示された物体(凹状または凸状)を他の形状の物体に(凹状または凸状)に置き換えた。 被験者は変化した対象物を把持して、持ち上げるタスクを行った。この二つの条件は Blocked condition=80% Perturbed condition=20%でランダムに行われた。

 

・中手指節間関節および近位指節間関節における屈曲/伸展は、手袋に埋め込まれたセンサーによって測定された。

 

結果

 

・指のほとんどの関節が、リーチ動作中に対象物のタイプによって変調された。

 

・対象物の形状が変化した時、リーチ到達時間は長くなり、blocked condition と比べてすべての指の角度が異なった。

 

・「凸→凹」摂動については、blocked condition よりも大きな指の伸展が見られた。対照的に、「凹→凸」摂動の場合、指はblocked conditionよりも屈曲していた。

 

・リーチ到達時間は凸面物体よりも凹面の方が長かった(凹面1,366 対 凸面1,326ms)。

 

私見・明日への臨床アイデア

 

・急速な運動の切り替えは認知して運動を補正するには時間が足りないためか、動きをより大か小かとなり中間領域が難しいようである。おそらく反復すれば学習し、振れ幅が少なくなると思われる。今回は、若年者であったが、高齢者での実験を行った結果が気になる所である。不意の運動変換は転倒予防をはじめ大切な運動機能と思われる。一定の条件で運動を行うだけでなく、様々な種類・ランダム条件下で「認知ー運動」という事を考えて評価・治療をしていきたいと思います。

 

 

氏名 覚正 秀一

職種 理学療法士

 

 

 

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