vol.242:脳卒中者と健常者の在宅生活の活動の違い 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
脳卒中者と健常者の在宅生活の活動の違い
Upper cervical range of motion is impaired in patients with temporomandibular disorders.?PubMed C English et al.(2016)
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
・在宅を経験し、活動性の低下している方に多く関わった。活動性が低下するとどうなるのかというエビデンスをより把握したく本論文に至る。
内 容
背景
・過度に座って過ごすことは、心血管疾患の罹患率に関連する。
・脳卒中を患っている人は、さらなる心疾患のリスクが高く、5年以内に脳卒中が再発する人は3分の1で、10年以上生存している人は43%になります。
・座った行動(座ったり横になったり、エネルギー消費量が少なくて済む)は健康状態の悪化、特に心臓血管疾患のリスクが上昇する事と相関する証拠が急速に蓄積しています。
・1日あたり11時間以上座っていると報告された参加者は、4時間未満で座っていると報告した人よりも死亡率が1.4倍高かった。
目的
・研究目的は、脳卒中群と年齢の一致した健常群の就寝時間、身体活動、および時間の使用を量およびパターンで比較調査することであった。
方法
・63人の成人(脳卒中40人および年齢が一致した健常対照23人)が参加した。参加者(女性35%、男性65%)の平均年齢は68.4歳であった。
・7日間行いました。
・就寝時間を活動モニタで測定した。
・身体活動および毎日のエネルギー消費は加速度計および多機能アームバンドを用いて測定した。
結果
・脳卒中を有する参加者は、対照群の座位時間( 8.2時間 /日)と比較して、座っている時間(10.9時間/ 日) が長かった。
・立位時間は健常群は5.2時間/日に対し、脳卒中群は2.6時間/日であった。
・歩行時間は、健常群は2.2時間/日に対し脳卒中群は1.1時間/日であった。歩数は健常群は5,314歩に対し脳卒中群は2,411歩であった。
・脳卒中の参加者は、テレビを見ている間、ほとんど静かに座っていることが多かったが、対照の参加者は、コンピュータを操作する時間が長くなりました。
・脳卒中群では、身体活動量と日常エネルギー消費量が対照群と比較して低かった。
・脳卒中患者の合計15人は1日1分間の中等度から激しい身体活動を行ったことが記録された。対照群は最も活動性が低い人で1日の4.3分で、他の健常者はいずれも1日あたり少なくとも8.0分の中等度から激しい身体活動を行ったことが記録された。
・脳卒中患者は、静かに座っている時間が大幅に増え、健常群は日々の雑用をする時間が大幅に脳卒中群より多かった。
私見・明日への臨床アイデア
・脳卒中患者の退院後の過ごし方について、自立かつ自律した生活を送れるよう、本人の身体機能や性格・環境はじめ個々に応じて現実的に対応していきたい。
氏名 覚正 秀一
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)