vol.305:介護者による呼吸リハビリテーション 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
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カテゴリー
神経系
タイトル
肺がん患者の呼吸筋力と呼吸困難に対する介護者教育の効果
Effect of caregiver education on pulmonary rehabilitation, respiratory muscle strength and dyspnea in lung cancer patients.?PubMed Jeong JH J Phys Ther Sci. 2015 Jun;27(6):1653-4. doi: 10.1589/jpts.27.1653.
なぜこの論文を読もうと思ったのか?
介護者に運動時のポイントを教えて、ご本人が自主トレーニングを正しく行っているか介護者に管理していただくことは多い。今回、介護者が呼吸リハを実施した場合に効果があるかを検討した論文を見つけ、興味があったため読もうと思った。
内 容
背景・目的
・肺がん患者に対して呼吸リハビリテーションを自宅で行うこともある。
・介護者に教育をし、介護者が呼吸リハビリテーションを患者に対して行った場合の効果を検討した論文は少ない。よって本研究は介護者による呼吸リハビリテーションが呼吸筋筋力と呼吸困難にどう影響するか検証する。
方法
・41名の肺がん患者
・実験群(22名)と対照群(19名)の2群に無作為に分けた。
・実験群は介護者に対し以下の教育を行った。①咳嗽練習、②気道確保、③呼吸練習、④ストレッチ、⑤筋力トレーニング
・対照群は一般的なアドバイスを行った。
・アウトカムは肺がん手術後2週間と6週間に計測した。
・呼吸筋筋力、最大吸気圧(MIP)、最大呼気圧(MEP)を計測した。呼吸困難感は改訂版Borg scaleで評価した。
結果
表:実験結果 Jeong JH (2015) より引用
・実験群のMIP、MEP、Brog scaleは介入後に有意な改善が得られたが、群間の有意差は得られなかった。
私見・明日への臨床アイデア
・今回は群間の差は得られなかったが、介護者による呼吸リハビリテーションで介入前後の改善は得られた。家族などの介護者にリハビリテーションをお願いすることは今後さらに増えると思う。その際の教育方法などについてさらなる研究が必要なのだろう。
職種 理学療法士
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1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)