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観察による半側空間無視評価 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー

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カテゴリー

脳科学
 
 

タイトル

車椅子衝突テスト(WCT)の脳卒中後の半側無視の行動評価スクリーニングとしての信頼性と妥当性
Reliability and validity of a wheelchair collision test for screening behavioral assessment of unilateral neglect after stroke.Qiang W, Sonoda S, Suzuki
M, et al. (2005)
 
 
 

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・生活に即した高次脳機能評価を探していたので本論文を読むことにした。
 
 
 

内 容

INTRODUCTION

・ 半側無視の机上検査と日常生活との関係については明らかにされていない。
 
・ ADLと関連付けた半側無視の評価としてはCBSがあるがCBSで評価するには長い期間の注意深い観察が必要となる。
 
・我々はより簡便でADL上で半側無視があるかを評価することを本研究の目的とした。
 
・ 先行研究の評価に車椅子で丸椅子の間を通過する際に何回衝突するか数えるものがある。我々はその文献通りに100cmの間隔で丸椅子を配置し、間を通る評価をしたが健康な被験者でも衝突なしに通過するのは難しかった。
 
・従って本研究では椅子との衝突テスト(WCT)を丸椅子の距離を変えて行うことにした。
 
 
 

METHODS

・対象者:被験者は19人で対照群は11人。被験者の条件は1) 初発の脳梗塞であること 2) 左の片麻痺があること 3)入院してから3日以上経っていること 4) CTかMRIで脳の損傷が確認されていること。
 
・ WCT:椅子の直径は31cmで間隔は椅子の中心から中心ではかる。椅子は120cmか140cmの間隔で、直進して一列目の椅子の間を抜け左か右に方向を変えて二列目の椅子の間を通過する配置にした(Figure 1)。
 
・患者には椅子にぶつからずに間を通り抜けるように口頭指示する。口頭指示で分からない場合は検者が実際に行って見本を見せる。
 
・被検者が椅子に衝突し、椅子の位置が変わってしまった場合は直ぐにその椅子を元に戻し、患者に椅子を通過するよう再度口頭指示する。椅子を戻した後に、通過できずにいる場合は車椅子駆動をするべき方向を説明する。
 
・この場合は衝突一回とした(これは適切でなかったかもしれない)。椅子のどの部分がどの椅子に衝突しても、一回の衝突として記録する。車椅子は同じ椅子に繰り返し衝突した場合はその回数を記録する。
 
・120cmの左を二回、右を二回、140cmの左を二回、右を二回の順で行う。それぞれの衝突した回数を数える。
 
・ CBS:WCTと同じ週にWCTの結果を知らない主治医が行った。
 
・ FIM:WCTと同じ週にWCTとCBSの結果を知らないOTが行った。
 

 
 
 

RESULTS

・すべての衝突は左側を含んでいた。右側の衝突は一度もなかった。
 
・ 120cmの左右計4回の試験では11人が衝突し、患者一人当たりの衝突の合計回数は2~33回であった。140cmの左右計4回の試験では5人が衝突し、衝突の合計回数は4~15回であった。
 
・ WCTとCBSの相関…120cmで0.72、140cmで0.75であった(Table 2)。
 
・ WCT・CBS・FIMの関係…WCT・CBSのいずれもがFIMと高い負の相関性があった(Table 3、Figure 2)。
 

 

 

 
 
 

DISSCUSSION

・140cm間隔に配置した椅子に衝突した患者の全てにCBS検査での中等度から重度の半側無視があった。
 
・したがって、120cm間隔は半側無視患者を特定するのにより適しており、140c間隔は中等度から重度の半側無視患者を特定するのに適しているようである。
 
 
 
 

私見・明日への臨床アイデア

・自宅で車椅子を自走する予定のある患者さまには車椅子を使ったこの評価は有効であると考えられる。一方でやはり評価は課題特異的に行う必要があり、ADL上の半側空間無視の評価はCBSで行った方が正確であると考えた。
 
 

職種 理学療法士

 
 
 
 
 
 
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