【2024年最新】膝蓋大腿関節のアライメントと痛みの関係:脳卒中リハビリ論文サマリー – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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【2024年最新】膝蓋大腿関節のアライメントと痛みの関係:脳卒中リハビリ論文サマリー

本記事の目標

・脳卒中患者の膝痛とマルアライメントの関係性を理解する

・具体的なトレーニング方法を理解する

 

論文を読む前に

新人療法士の丸山さんが脳卒中片麻痺患者のリハビリに取り組んでいたところ、患者が膝前面の痛みを訴えました。丸山さんは膝蓋大腿関節痛が脳卒中患者のリハビリにどのように関連するかについて、リハビリテーション医の金子先生に相談しました。

丸山さん:「金子先生、脳卒中患者のリハビリをしているときに、膝前面の痛みを訴える方が多いのですが、これは膝蓋大腿関節の問題と関係があるのでしょうか?」

金子先生:「いい質問ですね。脳卒中後の片麻痺患者では、膝蓋大腿関節(patellofemoral joint, PFJ)に関連する痛みはよく見られます。膝蓋大腿関節の痛み、いわゆる膝蓋大腿関節痛(PFPS)は、膝蓋骨と大腿骨の間で起こる摩擦やストレスが原因となることが多いのです。そして、脳卒中患者では膝蓋大腿関節のマルアライメントが、痛みの発生に強く影響します。」

丸山さん:「マルアライメントとは、具体的にどういう状態を指すのですか?」

金子先生:「膝蓋大腿関節のマルアライメントは、膝蓋骨が正常な位置から逸脱している状態のことを指します。膝蓋骨の内側や外側への偏位、あるいは回旋異常がその典型です。正常な膝蓋骨の運動は、膝の屈曲伸展に伴って大腿骨の滑車溝(trochlear groove)に沿って滑るように動きます。しかし、脳卒中患者では片麻痺による筋力バランスの乱れや関節可動域の制限が生じ、膝蓋骨の動きが不自然になりやすいんです。」

マルアライメントの特徴と原因

金子先生:「まず、脳卒中患者の膝蓋大腿関節のマルアライメントの特徴として、最も多いのが外側偏位です。これは、大腿四頭筋の麻痺や筋力低下が主な原因です。特に内側広筋(vastus medialis obliquus, VMO)の筋力低下が、膝蓋骨を外側に引っ張る力に対抗できなくなることで、膝蓋骨が外側にずれてしまうんですね。」

丸山さん:「内側広筋の筋力低下が原因で膝蓋骨が外側に引っ張られるということですね。他に、マルアライメントに影響する要因はありますか?」

金子先生:「はい。他にも股関節の外転筋や外旋筋の筋力低下も、膝蓋骨のアライメントに悪影響を与えます。股関節が内転・内旋しやすくなり、それに伴い膝蓋骨の位置も変わってしまうんです。さらに、麻痺側の筋肉の使い方が非対称的になるため、歩行や立ち座りなどの基本動作において、膝蓋大腿関節に不均衡な負荷がかかりやすいのも一因です。」

膝蓋大腿関節痛との関連性

丸山さん:「マルアライメントが起こると、膝蓋大腿関節痛が生じるメカニズムについて詳しく教えていただけますか?」

金子先生:「膝蓋骨のマルアライメントがあると、膝蓋骨と大腿骨との間の接触面が狭くなり、その分接触圧力が増加します。特に膝蓋骨が外側に偏位している場合、外側の関節面に過剰な圧力がかかり、これが痛みの原因となります。通常、膝蓋骨は膝の屈曲時に大腿骨の溝に沿って滑らかに動きますが、マルアライメントにより摩擦が増え、軟骨が損傷しやすくなります。これにより、痛みを引き起こすんです。」

丸山さん:「摩擦や圧力の増加が痛みの主な原因なんですね。他に、膝蓋大腿関節痛に関連する要因はありますか?」

金子先生:「脳卒中患者の場合、感覚障害筋緊張の異常も膝蓋大腿関節痛に寄与することがあります。感覚が鈍くなっている患者は、関節の負担に気づかず、無意識に過剰な負荷をかけ続けてしまうことがあります。また、痙縮(spasticity)があると、特定の筋肉が過剰に収縮し続けるため、膝蓋骨の動きが制限され、正常な軌道から逸れてしまうこともあります。」

臨床応用とリハビリテーション戦略

丸山さん:「では、マルアライメントが原因で生じる膝蓋大腿関節痛に対して、どのようなリハビリを行うべきですか?」

金子先生:「まず、膝蓋骨のアライメントを正常化するためのリハビリ戦略としては、内側広筋の強化が重要です。内側広筋をターゲットにしたエクササイズ(例:四頭筋の等尺性収縮運動や、低負荷でのレッグプレス運動など)を導入し、膝蓋骨を正しい軌道に戻すよう働きかけます。さらに、股関節の外転筋や外旋筋の強化も忘れてはなりません。これにより、股関節の安定性が高まり、膝蓋骨への過剰な負担を軽減することができます。」

丸山さん:「具体的なエクササイズとしては、どのようなものを提案できますか?」

金子先生:「例えば、内側広筋を強化するためには、軽い抵抗をかけたスクワットや、片足で行うステップアップ運動、または膝蓋骨の手動追従訓練も有効です。患者の膝蓋骨が正常な軌道を辿るよう、徒手で誘導しながら屈伸運動を行うことも効果的です。また、バランストレーニング歩行訓練も重要で、患者が正しい姿勢と動作で歩けるようサポートすることで、膝蓋大腿関節にかかる負担を軽減できます。」

丸山さん:「とても参考になりました!今後のリハビリに取り入れてみます。ありがとうございます。」

金子先生:「こちらこそ、いい質問でした。膝蓋大腿関節の問題は、脳卒中患者のリハビリでよく見られるので、しっかりとした知識を持って対応できるようにしておくことが重要ですよ。」

論文内容

 

タイトル

膝蓋大腿関節のアライメントと形は膝蓋大腿関節痛のある人のStructural MRI の異常と症状に関連するか? Are Patellofemoral Joint Alignment and Shape Associated With Structural Magnetic Resonance Imaging Abnormalities and Symptoms Among People With Patellofemoral Pain?Marienke van Middelkoop, Erin M. Macri, Joost F. Eijkenboom, et al. (2018)      

なぜこの論文を読もうと思ったのか?

・現在に膝関節に痛みを訴える利用者が多いため、解剖学的な知識を深めたいと考えた。      

内 容

背景

・膝蓋骨大腿部痛(PFP)がある人には膝蓋骨大腿骨のアライメント不良が見られ、変形性膝関節症の画像的特徴、症状、および機能の存在と関連している可能性がある。   ・膝蓋大腿関節のアライメントと骨の形状が(1)MRIで確認された軟骨、骨、軟部組織の形態異常および(2)PFPを持つ人々で報告されている症状・機能と関連しているかどうかを決定することを本研究の目的とした。      

方法

・被験者はPFP(年齢範囲、14~50歳)があり、Table 1の基準を満たす者。  

・被験者には以下の質問に答えるように依頼した:人口統計学的内容(年齢・性別・BMI・教育レベル)、膝に対する訴え(PFPの期間・両側の訴え)とVASとNRSによる痛みの深刻さの評価。膝の症状と機能はAnterior Knee Pain Scale(AKPS)とKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS;痛み・症状・ADL・運動とレクリエーション機能・膝に関連するQOLに対するサブスケールを含む)によって評価した。  

・全ての被験者は背臥位で屈曲20〜30°で(最も)症状のある膝のMRI撮影を行った。

  ・以下の骨形状測定をした   (1)Insall-Salvati(IS ratio)(膝蓋腱の膝蓋骨の斜めの長さに対する割合)   (2)大腿骨に対する膝蓋骨の横方向の平行移動(mmで測定。2 mm未満は平行移動なしとした)。   (3)膝蓋骨傾斜角(膝蓋骨の幅が最大の部分を通る線と内側顆後方と外側顆後方を結んだ線、PCLとの角度を測定。8°より大きいとき、傾きありとした)。   (4)滑車溝の深さおよび角度(mmで測定)。   (5)Wiberg分類(タイプI、関節面は凹面、タイプII、関節面内側は外側よりかなり小さい、タイプIII、関節面内側は外側よりも著しく小さい)。   (6)脛骨粗面-滑車溝の距離。二分裂膝蓋骨の存在も報告された。  

・さらに5つのアライメントおよび骨形状測定を行った。外側滑車傾斜は、PCLと滑車外側の表面を通る線の間の角度として定義した。

  ・滑車角は、PCLと内側および外側滑車面の最も前方の縁を通る線との間の角度(度)として定義した。側方変位は滑車の中心を通る線に対して外側の膝蓋骨のパーセンテージとして定義された。膝蓋骨関節の重なりは、膝蓋骨の軟骨の長さに占める滑車軟骨を覆っている部分の割合と定義した。アライメントおよび骨形状の測定の詳細を図1に示す。  

       

結果

・IS ratio(膝蓋高位症を示す)は膝蓋骨の骨髄損傷、膝蓋骨の骨棘、Hoffa病と大腿前脂肪体滑膜炎の存在と関連している。膝蓋骨傾斜角が大きいことは小さい膝蓋軟骨の損傷、膝蓋骨の骨棘と大腿前脂肪体滑膜炎に関連している。  

・加えて、膝蓋骨の側方変位が大きさは小さい膝蓋軟骨の損傷や膝蓋骨の骨棘に関連していた。滑車溝の角度が大きさ(溝が浅さ)と膝蓋骨の骨棘の存在には有意な関連があった。膝蓋関節軟骨の重なりが大きいほどは膝蓋骨の骨棘が少なく、大腿前脂肪体滑膜炎は少なかった(Table 4)。  

・Table 5はアライメントと骨形状の評価と特異的なPFP症状の関連を示している。溝の角度は通常の痛みと走っている際の問題と関連している。膝蓋膝蓋関節軟骨の重なりは走っている際の問題が少ないことと関連している。  

・被験者の特徴とアライメント間には幾つかの関係があった。高齢になる程、膝蓋骨の傾斜が小さく、滑車溝の角度が小さく、Wiberg分類では凹面であり、外側滑車傾斜が大きく、膝蓋関節軟骨の重なりが大きかった。女性は膝蓋骨の傾斜角度が大きく、IS ratioが高く、側方変位が高かった。症状が24ヶ月未満だとIS ratioが高く、滑車溝の角度が小さく、外側滑車傾斜が小さいことと関連していた。両側にPFPがあると膝蓋骨傾斜角度が大きく、IS ratioが大きく、外側滑車傾斜の角度が小さかった。  

       

脳卒中後に膝の痛みを訴える患者の症例検討

症例報告1: 麻痺側の膝前面の痛み

症例:

  • 患者:68歳男性、脳梗塞後の右片麻痺
  • 経過:脳卒中発症から3ヶ月後、歩行訓練中に右膝前面の痛みを訴える。特に階段昇降時や膝の屈曲動作で痛みが増加。
  • 身体所見
    • 右下肢に筋力低下(膝屈曲4-/5、膝伸展3+/5)
    • 右膝蓋骨の外側偏位
    • 内側広筋の萎縮
    • 関節可動域:膝屈曲100°、膝伸展-10°
    • 歩行中に右膝関節の過伸展傾向

診断:

膝蓋大腿関節痛(PFPS)。脳卒中後の筋力バランスの崩れや、内側広筋の筋力低下により膝蓋骨が外側に偏位し、膝蓋大腿関節の異常な負荷と摩擦が痛みを引き起こしていると考えられる。

リハビリアイデア: 膝前面の痛みに対するアプローチ

目標:

  1. 膝蓋骨のアライメントを正常化し、膝蓋大腿関節への負荷を軽減する。
  2. 内側広筋(VMO)の筋力を強化し、膝蓋骨の外側偏位を改善する。
  3. 膝関節の柔軟性を向上させ、過伸展を防止する。

リハビリ手順:


  1. 内側広筋強化エクササイズ
    • クアッドセット: 患者を仰臥位にし、膝下に小さなタオルを置き、膝を伸展させた状態で内側広筋を収縮させる。
      手順: 10秒間収縮を保ち、休憩を挟んで10回繰り返す。1日2~3セット実施。
    • 膝蓋骨手動追従: 屈曲・伸展時に膝蓋骨を徒手で内側に誘導し、正常なアライメントを促す。

  2. 関節モビライゼーション
    • 大腿四頭筋ストレッチ: ベッド上での大腿四頭筋ストレッチを行い、膝の可動域を改善。膝屈曲90°を目指して、5秒保持を10回繰り返す。
    • 膝蓋骨のモビライゼーション: 膝蓋骨の外側偏位を矯正するため、徒手で膝蓋骨を内側に動かすモビライゼーションを週2回実施。

  3. 歩行訓練
    • ステップ訓練: 内側広筋の強化と膝蓋骨のアライメント改善のため、低い台を使った昇降訓練を行う。麻痺側の膝を意識しながらゆっくりと動作を行う。
    • サポート付き歩行: 歩行時の膝過伸展を防ぐため、膝に軽いバンドを巻き、過伸展が起きないよう調整する。

症例報告2: 麻痺側の膝内側の痛み

症例:

  • 患者:72歳女性、脳出血後の左片麻痺
  • 経過:発症から6ヶ月後、歩行中や立位保持中に左膝内側の痛みを訴える。平坦な地面でも長時間の歩行後に痛みが増す。
  • 身体所見
    • 左下肢に筋力低下(膝屈曲4/5、膝伸展3+/5)
    • 内転筋の緊張増加
    • 歩行時に内側荷重の偏り
    • 立位時に左膝の内反傾向
    • 膝関節の内側軟部組織の圧痛

診断:

内側側副靱帯(MCL)に関連する膝痛。麻痺側の不均衡な筋緊張と歩行中の内反変形が、内側の軟部組織と関節に過剰な負荷をかけている。

リハビリアイデア: 膝内側の痛みに対するアプローチ

目標:

  1. 膝内側の負担を軽減し、筋の不均衡を改善する。
  2. 股関節外転筋や外旋筋を強化して、膝の内反変形を予防する。
  3. 歩行パターンを修正し、膝にかかる内側荷重を減少させる。

リハビリ手順:


  1. 股関節外転筋強化エクササイズ
    • ヒップアブダクション(外転運動): 側臥位で、下肢を持ち上げ、股関節の外転筋を鍛える。10回×3セットを1日2回実施。
    • モンスターウォーク: 膝にバンドを巻き、軽く膝を曲げた状態で横に歩く運動を行う。これにより、股関節外転筋を強化し、膝の内側への負担を減少させる。

  2. 膝内反矯正訓練
    • 膝内反を防ぐためのバランス訓練: バランスボードや不安定な台を使用し、膝の内反を防ぐ意識を持たせながら、体幹と下肢を安定させる訓練を行う。

  3. ストレッチとモビライゼーション
    • 内転筋のストレッチ: 内転筋の緊張を軽減するため、立位でのストレッチを行う。5秒保持を10回繰り返し、1日2回実施。
    • 膝内側の軟部組織モビライゼーション: 圧痛のある内側の軟部組織に対して、軽い徒手モビライゼーションを行い、痛みの軽減を目指す。

  4. 歩行訓練
    • 内側荷重を軽減する歩行指導: 歩行時に内反を防ぎ、外側荷重を意識させるような歩行指導を行う。歩行速度とステップ幅を調整しながら、膝内側の負担を軽減する。
    • 歩行補助具の使用: 必要に応じて、足底装具や膝装具を使用し、膝関節の安定性を確保しながら歩行をサポートする。

まとめ:

  • 膝前面の痛みでは、膝蓋大腿関節の外側偏位が痛みの主な原因であり、内側広筋の強化や膝蓋骨のモビライゼーションが重要なリハビリ要素となる。
  • 膝内側の痛みでは、内側側副靱帯への負担が考えられ、股関節外転筋の強化や膝内反を防ぐ歩行指導が痛みの軽減に有効である。

脳卒中後の膝痛に対するリハビリは、患者の痛みの原因とそのメカニズムを正確に把握し、個別に対応することが重要です。それぞれのリハビリアプローチにおいて、適切な筋力強化とストレッチ、歩行指導を取り入れることで、膝痛を効果的に緩和し、機能回復を促すことが期待されます。

新人療法士が膝痛を有する脳卒中患者に治療介入する際のコツ

新人療法士が膝痛を有する脳卒中患者に治療介入する際の注意点やポイントを以下にまとめます。膝痛を持つ脳卒中患者は、筋力低下や麻痺の影響を受けており、特に慎重にリハビリを進める必要があります。

1. 痛みの原因を多角的に評価する

  • 膝痛がどのような動作や負荷で発生するか、関節や筋肉、神経のどの部分が関与しているのかを、問診や徒手的な評価で明確に把握することが重要です。痛みの部位や強さ、痛みの起きるタイミングに注目します。

2. 姿勢と歩行のアライメントを評価する

  • 麻痺側の姿勢や歩行時の動作パターンを確認し、膝に過剰な負荷がかかっていないかを評価します。膝関節の過伸展や内反・外反などの異常アライメントが痛みを引き起こす場合があるため、これを考慮して訓練を行う必要があります。

3. 痛みの悪化を防ぐための負荷調整

  • 痛みを伴う動作や強度が高すぎるリハビリは、患者の状態を悪化させる可能性があります。運動負荷は徐々に増やし、痛みが出た場合は直ちに調整することが求められます。

4. 膝の安定性を高める筋力強化

  • 膝周囲の筋肉、特に内側広筋や大腿四頭筋の強化が重要です。麻痺側の筋力低下により、膝関節の不安定さが痛みを引き起こすことがあるため、段階的に筋力を強化します。

5. 関節可動域を改善し維持する

  • 脳卒中患者では関節拘縮や可動域制限が起こりやすいため、痛みを引き起こす可能性があります。膝関節の可動域を定期的に評価し、ストレッチやモビライゼーションを取り入れて、膝の柔軟性を保ちます。

6. バランス訓練を取り入れる

  • 麻痺側の膝の痛みは、バランスの崩れや歩行時の不安定性が関与していることが多いです。バランスを改善し、膝にかかる負担を軽減するために、安定した立位保持や片足立ちなどのバランストレーニングを実施します。

7. 歩行パターンの修正

  • 膝痛がある脳卒中患者では、歩行中に不正確な歩行パターンが見られることが多く、これが痛みを悪化させる原因となります。特に、麻痺側の膝の過伸展や内反などの誤った歩行パターンを修正するための歩行指導が必要です。

8. サポートツールや補助具の活用

  • 必要に応じて、足底装具や膝サポーターなどの補助具を使用し、膝の安定性を確保しつつ痛みを軽減します。患者が安心して運動に取り組める環境を整えることが重要です。

9. 患者への痛み管理の教育

  • 患者自身が痛みを適切に認識し、過剰に痛みに囚われることなくリハビリに取り組めるよう、痛みの管理方法を指導します。温熱療法やアイシングの活用など、患者が自宅でできるセルフケアも重要です。

10. コミュニケーションを通じたフィードバックの重要性

  • 患者とのコミュニケーションを密に取り、痛みの状態やリハビリの進捗についてフィードバックを受けながら調整を行います。患者の主観的な痛みの訴えを尊重し、無理なくリハビリを進めることが大切です。

これらのポイントを意識しながら、患者個別の状態に応じたリハビリを進めていくことで、膝痛を軽減し、機能回復に向けた効果的な介入が可能となります。

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STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。

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