【質問】脳卒中後に体が硬くなります。外せないストレッチ4選!(肩・膝・指・体幹自主トレ) – 脳卒中/神経系 自費リハビリ施設 東京 | STROKE LAB
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【質問】脳卒中後に体が硬くなります。外せないストレッチ4選!(肩・膝・指・体幹自主トレ)

はい皆さんこんにちは。STROKE LAB代表の金子です。
 
今回も【脳科学に基づく】ストラボ式ニューロトレーニングを一緒にやりましょう!

お悩み相談が届いています。

お忙しい中、メールをお送りします。私の父が最近脳卒中を経験し、現在回復過程にありますが、身体が徐々に硬くなってきており、いくつかの運動に困難さを感じております。特に腕をあげたり、手を伸ばしたり、足の関節の挙げるなどの動作が難しくなっています。

医師からはこれらの困難が運動神経の領域に影響が出ていることを示していると説明されました。左右非対称性が明らかで、特に右側の動きに顕著な制限が見られます。

このような状態で、運動能力を改善するためにどのようなアプローチが効果的か、また、家でできる練習や具体的なリハビリテーションの方法についてご助言いただければと思います。

上記質問に対して、STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。

前頭葉/一次運動野:随意運動の実行
一次運動野は中心前回に位置し,自発的な運動を開始する役割を果たします.全身の骨格筋に指令を送り,歩行,上肢のリーチ,把握などの動作を制御します。



引用:
Primary Motor Cortex Damage: What to Expect & How to Treat

質問者の方に対する解決策として書籍では以下の内容を呈示しています。

身体条件の確保: 関節可動域練習などで柔軟性を改善し,筋肉の短縮を軽減し(特に痙縮の場合),拘縮(筋肉や腱の持続的な短縮)を防止します.筋や関節の準備条件を改善することが,随意運動の実行の容易さを促通できます.体幹など姿勢筋の条件を整えてから上下肢など遠位筋の運動へ移行することも重要です.

 

今回の内容はYouTube動画で視聴できます

 

ニューロトーレニング

今回は具体的にこの文面に関わる4つのトレーニングをご紹介します。

①肩の自由を取り戻せ!: 肩の可動域を広げる第一歩

まずは、関節と筋肉の柔軟性を保ち、改善する「可動域訓練」から始めます。動きやすい体を取り戻すために、私たちは肩や腕など、動かしにくい部分を特に丁寧にサポートします。たとえば、肩が硬くて動かしにくい場合でも、セラピストやご家族がゆっくりと腕を動かし、日常生活で必要な動作がスムーズに行えるように助けてもらいましょう。これにより、着替えや物を取る動作が楽になります。

「一緒に肩の可動域を広げていきましょう。まずは、右腕をゆっくりと上に持ち上げて、その位置で少し停止してみてください。ここで大切なのは、自分のペースで動かすことです。」
「その次は、肩をゆっくりと前後に回してみましょう。大きな円を描くように動かすことで、さらに肩周りの柔軟性が向上します。無理のない範囲で、気持ちの良いところまでチャレンジしてください。」

②筋肉リラックス作戦: ストレッチで動きやすさを取り戻す

たとえば、ハムストリングが硬い場合、優しく長時間ストレッチをすることで、筋肉を徐々に伸ばし、楽に動かせるようにします。「ハムストリングのストレッチを行います。タオルを用いて麻痺側の脚に巻き付けて、足の指先を自分の方に引き寄せてみましょう。ゆっくりと深呼吸を繰り返しながら、伸びを感じてください。」
「もう一つのストレッチとして、今度は座ったままで脚を交差させ、上の脚の膝をゆっくりと押してみましょう。腰から太ももにかけての筋肉を伸ばすことができ、こわばりをさらに和らげる効果が期待できます。」

③拘縮防止、動かして守る: 日常の動きで関節を保護

長期間の硬直で筋肉や関節が固まる「拘縮」を予防することも大切です。寝ている間も関節が適切な位置に保たれるよう、セラピストは装具やポジショニングを使って手足を適切な位置に保ちます。これにより、体が適切な形で休むことができ、拘縮を防ぎます。

「今度は、ボールをひざ下に入れ、拘縮予防のために関節を動かす練習をしましょう。膝をゆっくりと曲げ伸ばしして、その動きを繰り返してみてください。ポイントは、動かす際に無理をしないことです。」
「続けて、手の指の動きも忘れずに行いましょう。指先をゆっくりと曲げ伸ばしして、手のひら全体に動きを広げてください。手の柔軟性も保つことで、日常生活の中でのさまざまな作業がしやすくなります。」

④身体の中心を強くする: 安定した動作の基盤を築く

腕や脚の運動に入る前に、体の中心となる体幹の筋肉を強化することが非常に重要です。これらの筋肉は体のバランスや正しい姿勢を保つのに必要です。座ったり、立ったりするバランスを保つ練習や、セラピー ボールを使った体幹強化のエクササイズを行います。これにより、全体的な動きが安定し、日常生活がよりスムーズになります。

「最後に、体幹を鍛える時間です。背筋を伸ばして座り、お腹の筋肉に意識を向けてください。ここから、ゆっくりと身体を前後に傾けて、その動きをコントロールしましょう。バランスを保つことが鍵です。」
「次に、セラピー ボールを使って、さらに体幹を強化しましょう。ボールに座りながら、ゆっくりと体を左右に傾けてみてください。この動きが体幹の安定性を高め、全身のバランス能力を向上させます。」

今日のニューロトレーニングをチェックしよう!

理解できた: トレーニングの目的と方法を理解し、何をどのように行うべきかが明確である。

相談できた: 練習中に疑問や不安があった場合、セラピストや指導者に相談し、適切なアドバイスを受けることができた。

やれた: トレーニングを実際に自分で実行し、練習を完了できた。

最後に

皆さまお疲れさまでした。今回ご紹介した動画は「脳卒中の機能回復」に沢山細かな内容が含まれていますし、動画であれば無料でご視聴できます。概要欄に一部貼っておきますので是非ご視聴ください。

今日ご紹介したリハビリテーションのステップは、脳卒中後の回復過程で直面する様々な課題に対処するために非常に有効です。一歩一歩確実に進めることで、ご自宅でもしっかりと練習を行い、日常生活の質の向上を目指しましょう。

また、私たちの体は日々の小さな努力によって大きく変わることができます。今日のトレーニングで感じた達成感や、少しでも楽に動けるようになった喜びを忘れずに、次も一緒に頑張っていきましょう。いつでも質問や不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。次回も一緒に、更なる進歩を目指して努力していきましょう。

STROKE LABではお悩みに対してリハビリのサポートをさせていただきます。詳しくはHPメニューをご参照ください。


これらの戦略を取り入れることで、日常生活のタスクがよりスムーズに、そして独立して実行できるようになります。少しずつ進歩することで、自信を持ち、自分のペースでリハビリを進めていきましょう

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エビデンスは?

  1. Range of Motion and Its Importance:

    • 関節の可動域(Range of Motion, ROM)は、運動中のパフォーマンス向上や日常生活の機能向上に重要です。特に、全身の骨格筋が効率的に収縮するためには、関節の可動域を広げることが重要です​ (Verywell Fit)​。
  2. Shoulder Flexibility and Athletic Performance:

    • 肩の柔軟性が制限されると、力の伝達能力が低下し、怪我のリスクが高まります。肩甲骨の柔軟性と体幹の協調が、肩の可動域を最適化するために必要です​ (BuiltLean)​。
  3. Pendulum Exercise for Shoulder Flexibility:

    • ペンデュラムエクササイズは、肩の柔軟性を向上させ、痛みのない可動域を広げる効果があります。このエクササイズは、肩の痛みを軽減し、日常生活での動作を楽にします​ (Saint Luke’s Health System Kansas City)​。
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