【質問】パーキンソン病になり上手く立ち上がれず、食器も上手く持てません。運動イメージトレーニング解説! – STROKE LAB 東京/大阪 自費リハビリ | 脳卒中/神経系
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【質問】パーキンソン病になり上手く立ち上がれず、食器も上手く持てません。運動イメージトレーニング解説!


はい皆さんこんにちは。STROKE LAB代表の金子です。
 
今回も【脳科学に基づく】ストラボ式ニューロトレーニングを一緒にやりましょう!

お悩み相談が届いています。

私の家族が最近、日常生活での動作に難しさを感じています。特に、コップに水を注ぐ動作や立ち上がる動作においてなかなか上手くいかずどのようにサポートすればよいのか悩んでいます。

上記質問に対して、STROKE LAB代表の金子唯史が執筆する 2024年秋ごろ医学書院より発売の「脳の機能解剖とリハビリテーション」から
以下の内容を元に具体的トレーニングを呈示します。

前頭葉/ 背側運動前野:運動イメージ
運動イメージとは,動作を脳内でリハーサルしたり,シミュレーションしたりすることを指します.背側運動前野は,運動に関する思考を実際の身体的動作に変換するために重要な役割を担います


PMdが背側運動前野になります。
引用:https://images.app.goo.gl/a2UjeY4nHqHCqBhi7

質問者の方に対する解決策として書籍では以下の内容を呈示しています。

運動イメージトレーニング: 実際に作業を実施する前に,その作業を実施する様子をイメージするように誘導します.例えば,理学療法士が「この椅子からどうやって立ち上がるか想像してください.アームサポートを手のひらで感じ,脚で押し上げることをイメージしてください」などです.その他にもコップの水に手をリーチする前に,手をコップに向かって伸ばし,冷たさを感じ,しっかりと把握することをイメージするよう呼びか
けることも大切です.

今回の内容はYouTube動画で視聴できます

 

ニューロトーレニング

今回は具体的に運動イメージを使う3つのニューロトレーニングをご紹介します。

運動イメージトレーニングを極めることは、脳卒中やパーキンソン病からの回復に非常に有利です。脳科学の研究によれば、想像力を使って動作をイメージすることは、実際にその動作を行うのと同様に脳を活性化させ、神経経路を強化する効果があります。これにより、運動機能の回復が促進され、日常生活の質が向上することが期待されています。

運動イメージトレーニングタスク:立ち上がり、水の入ったグラスを取る、そして歩行練習

目的: 運動イメージトレーニングを通じて運動学習を促進し、機能的なタスクのパフォーマンスを向上させる。

タスクの説明:

  1. 立ち上がることをイメージする:椅子からのスタートを視覚化!

    • ステップ1: 足を床に平らに置いて、椅子に快適に座ります。お尻がしっかりと椅子に接している感覚を感じましょう。
    • ステップ2: 目を閉じて、数回深呼吸します。息を吸うときに新鮮な空気が体に入るのを感じ、息を吐くときに緊張が解けるのを感じます。
    • ステップ3: 立ち上がる準備をする自分を想像します。手のひらで椅子の肘掛けを感じ、その感触を確かめましょう。
    • ステップ4: 手で肘掛けをしっかりと押し下げる感覚を視覚化します。力強く押すときの感触をイメージしてください。
    • ステップ5: 脚の筋肉が体を持ち上げる様子を思い描きます。筋肉の力強さを感じながら、ゆっくりと立ち上がる感覚をイメージします。
    • ステップ6: 立ち上がってバランスを取っている自分を想像します。両足がしっかりと地面に接している感覚を感じましょう。

  2. 水の入ったグラスを取ることをイメージする:

    • ステップ1: 目を閉じたまま、目の前のテーブルに水の入ったグラスがある様子を思い浮かべます。グラスの透明感や光の反射をイメージしてください。
    • ステップ2: 手がグラスに向かって動く様子を視覚化します。腕を伸ばし、指がグラスをつかむ準備をしている感覚を感じます。ゆっくりと、確実に動かします。
    • ステップ3: 手がグラスの冷たい表面に触れる感覚を視覚化します。冷たさが手に伝わる様子を感じましょう。
    • ステップ4: 指がグラスを包み込む様子を想像します。グラスの重さや質感をしっかりと感じます。
    • ステップ5: グラスを注意深く持ち上げ、口元に運ぶ自分を思い描きます。滑らかに、安定して動かしましょう。
    • ステップ6: 一口飲んでから、グラスをテーブルにそっと戻す様子を視覚化します。丁寧に、静かに動かします。

  3. 歩くことをイメージする:一歩一歩ウォーキングイメージ

    • ステップ1: 目を閉じて、リラックスした状態になることを感じます。体全体が落ち着いている感覚を感じましょう。
    • ステップ2: 自分が立っている場所から一歩を踏み出す場面を思い描きます。どこに向かって歩くのかをイメージしましょう。
    • ステップ3: 片足を持ち上げ、前に出す感覚を視覚化します。足が地面に着く瞬間を感じ、そのときの感覚を鮮明に想像します。
    • ステップ4: 後ろの足が次の一歩を踏み出す様子を想像します。体が前に進む感覚を感じましょう。
    • ステップ5: 規則的なリズムで歩いている自分を視覚化します。足の動きと体のバランスを感じ、スムーズな動きをイメージします。
    • ステップ6: 歩き続けながら、周囲の風景や音、感覚を思い描きます。風の音や鳥のさえずり、足元の地面の感触などを感じ取りましょう。

参加者へのガイダンス:

    • 練習前: 各ステップをできるだけ鮮明にイメージするために数分間を費やします。詳細なメンタルイメージングがトレーニングの効果を高めます。
    • 練習中: イメージングセッションの後、実際にタスクを行います。体がどのように感じるかに注意し、メンタルリハーサルとの違いを比較します。
    • 練習後: イメージした動きと実際の動きの違いを振り返ります。このフィードバックを使用して、将来のセッションでメンタルイメージを洗練させます。

      取り組むことで、成果が実感でき、より前向きなリハビリ生活が送れるようになります。

       

      今日のニューロトレーニングをチェックしよう!

      大見出し 理解できた 相談できた やれた
      椅子からのスタートを視覚化!
      水の入ったグラスを取ることをイメージする
      一歩一歩ウォーキングイメージ

      理解できた: トレーニングの目的と方法を理解し、何をどのように行うべきかが明確である。

      相談できた: 練習中に疑問や不安があった場合、セラピストや指導者に相談し、適切なアドバイスを受けることができた。

      やれた: トレーニングを実際に自分で実行し、練習を完了できた。

      終わりに

      運動イメージトレーニングは、繰り返し練習することで効果が高まります。毎回のトレーニングを楽しみながら、自分の成長を実感してください。次回も新たなステップを踏み出す気持ちで、前向きに取り組んでみましょう。あなたの努力が必ず実を結びます!

      STROKE LABではお悩みに対してリハビリのサポートをさせていただきます。詳しくはHPメニューをご参照ください。


      これらの戦略を取り入れることで、日常生活のタスクがよりスムーズに、そして独立して実行できるようになります。少しずつ進歩することで、自信を持ち、自分のペースでリハビリを進めていきましょう

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      エビデンス

        1. Neurophysiological Evidence of Motor Imagery Training in Parkinson’s Disease:

          • この研究は、運動イメージリ訓練がパーキンソン病患者の精神的イメージ能力、病状の重さ、及び運動機能と認知機能を改善することを示しています。(Cambridge)​.
        2. Exploring Motor Imagery as a Therapeutic Intervention for Parkinson’s Disease:

          • このレビューは、MIがパーキンソン病患者のリハビリテーションにおける治療ツールとしての潜在性を強調し、MIの利点をより理解するために、より広範囲かつ方法論的に正確な研究が必要であることを指摘しています。 (MedRxiv)​.
        3. Effects of Motor Imagery Training in Parkinson’s Disease:

          • このランダム化臨床試験のプロトコルは、MI訓練が運動機能、特に歩行と移動能力にどのような影響を与えるかを探求するもので、高度なモーションキャプチャシステムを使用して変化を監視します。 (BioMed Central)​.
        4. Evaluation of Motor Imagery-Based BCI Methods in Neurorehabilitation of Parkinson’s Disease:

          • この研究は、MIを用いた脳-コンピューターインターフェース(BCI)技術がPD患者のリハビリテーションを支援する効果を評価し、特に下肢の運動技能を改善することに焦点を当てています。 (Papers with Code)​.

        これらの研究は、運動イメージリがパーキンソン病患者の運動機能と生活の質を向上させる有望なアプローチである可能性を示しており、これらの発見を確認し治療技術を洗練するためにはさらなる広範囲の研究が促されています。

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