TAP GW特別セミナーにて講演しました!
5/3:TAP GW特別セミナー「脳卒中片麻痺患者の上肢には何をすればいいのか?」にて講演しました!
昨日,港区にあります機械振興会館にて,信迫 悟志 先生 (畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター),石田 匡章 先生 (一般社団法人ASRIN),そしてSTROKE LAB代表金子3名によるTAP GW特別セミナー「脳卒中片麻痺患者の上肢には何をすればいいのか?」が開催されました.
信迫先生は最新の神経科学的知見からみた「上肢の神経機構」をテーマに御講演され,石田先生は「片麻痺患者が呈する肩関節の痛み」について解剖・運動学的側面を中心としたご講演でした.
代表金子は,神経科学と解剖・運動学要素の両面をどのように組み合わせて実際の患者様に応用していくのか?という視点のもと講演しました.
GWにも関わらず多くの受講者の方々いらっしゃいました
昨日の講演場所は・・・なんと東京タワーの目の前! 心なしか通り過ぎる人たちもおしゃれかつ知的な感じを受けます・・・ 会場に向かう前から期待と緊張が錯綜します!!
会場に着いてみると,GWにも関わらず受講者150?160?名程度の方々がいらっしゃっていました. 世間一般はGW真最中ですが,そんな中いらっしゃった受講者の方々の学びへのモチベーションは素晴らしいと思いました!
講演~神経も解剖も運動学も・・・いずれも大事です~
最初のご講演は,信迫先生による「上肢運動制御の神経機構」でした.
What・Where経路の内容から,実際のその個所に損傷が起きた場合にどのような症状がでるのか,またその場合にはどのような神経科学的対応で患者様の反応が変わるのかなどを実際の症例の動画を交えて話されており,とても興味深く拝聴させて頂きました.
信迫先生は,失行がご専門ということもあり,背-背側経路損傷に伴う操作に関する知識に低下をきたした失行症例に対して,その物品が何なのかを言語化等で明瞭化することで,機能に関する知識に関与するWhat経路を利用した介入戦略を提示されていました.
また,信迫先生曰く・・・研究で用いられる抽象的な物品と日常生活で使用される物品とでは,患者様の反応も大きく変わるとのことで,研究者ならではのあるあるも聞けておもしかったです.
次のご講演は,石井先生による「脳血管障害の肩関節の痛みの解釈-基礎からアプローチについて-」でした.
解剖・運動学などのセラピストとして基本の機能解剖・・・やはり,とても大切です.
脳血管疾患であろうと整形疾患であろうと,患者様の身体を触れるということには変わりないことです.「治療する」には,膨大かつ想像・妄想的な知識とイメージだけでは何もできません.基本を大事にすることはとても大切だと再認識しました.
また,石田先生の臨床におけるMindも聴くことができ,「セラピストが患者のプラトーをつくっている」というお話には,とても共感させられました.
石田先生は受講生目線で間のとり方、話し方、スライドの見せ方、本当に完璧でした。勉強勉強になります。
そして最後・・・トリは代表金子が講演させて頂きました.
現行の神経科学と解剖・運動学的見地を提示し,その要素をどのようにCoordinationさせながら患者治療に応用していくのかについてを,今回のテーマである上肢に特化してお話させて頂きました.
ただ一人として同じ様相を示さない臨床の患者治療において,解剖・運動学的側面の要素から強くアプローチした方がいい例と,神経科学的側面から強くアプローチした方がいい例,または双方の要素を入れた方がいい例と様々であることを受講者の方々に示させて頂きました.
会場での画像所見からの見解については,信迫先生にも意見を伺いながら講演を進めることができ,画像所見と臨床徴候における治療内容も合点のいくものとなっていたかと思います.
中枢神経疾患におけるリハビリテーションは,神経科学だけでは問題を解決できませんし,解剖・運動学の知識だけでも解決はできません.
その双方の要素を各セラピストがどのように各患者に合わせてオーダーメイドに治療できるか?
難しいですが,そこが面白くもあるのが中枢神経系の奥深さだと思います・・・ということを再認識しました!
飲み会はTap運営のメンバーと!!
別会場で唐澤さん、河合さんが講演しており合流!
二人の言葉はいつも太く深いですよ・・・
相変わらずのエネルギーで、元気パワーもらいました!!
運営のTapの皆様、ご参加されたセラピストの方々、本当にありがとうございました!!
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)