STROKE LAB 脳科学講座-臨床推論-
こんにちは
本日,STROKE LABにて針谷講師による脳科学講座が行われました.
上半期の脳科学コースも今月で最後月となります.
臨床コースと同様,下半期は10月より開始となりますので,ご確認・ご応募をお待ちしております!!
今月のテーマは脳科学から考える「臨床推論」です!
先日,臨床コースでも同様に臨床推論の講座を開催しましたが,やはり知識の集大成は臨床推論(=Clinical Reasoning)ということになります.
知識は確かに必要ですが,断片的な知識は実践に応用されません.
断片化された知識を自己で仮説立てていくトレーニングをもって,ようやく実践応用できる過程へと至っていきます.
Clinical Reasoning on Brain Science(脳科学における臨床推論)
臨床推論には「これが正解」「これしか考えられない」などいう確定された理論などありえません.
セラピスト個人個人の価値観・優先順位・センスなど,推論し仮説立てるまでの過程には,セラピストの数だけあります.
その中には脳科学をBaseにReasoningしたり,解剖・運動・バイメカに重きをおいてReasoningするセラピストもいれば,行動分析学からReasoningするセラピストもいるでしょう.
もちろん,どれが正解か?などありませんし,ましてやそこでの概念対立は患者様に何もよい影響をもたらさないことは明白です.
ある要素に固執せずに様々な材料の中から自己の意図・思考をもって取捨選択・推論立てる
広く浅くの知識ではやはりReasoning自体の内容が薄くなりやすいです.
脳科学,バイメカ的視点からの臨床推論・・・各々の要素を掘り下げ,その分野の知識も入れておくことはとても重要です.
脳科学コースでは,最新の脳科学的見地から脳科学をに特化したReasoning能力を半年間を通して養成してきたため,塾生同士での脳科学に基づいた積極的なディスカッションが行われています!
脳科学と現象(実際の動作・運動)の統合
知識Baseのみでの臨床推論は,多様な患者像に対応できなくなる可能性があり,汎用性に欠けます.
脳画像から患者様がどのようにPlanningし,運動実行するのかを運動発現前のみの視点からReasoningした場合,運動発現後にその通りの反応がなければ手詰まりとなってしまいます.
脳画像読影から推論立てた仮説と,動作発現後の事象に対するReasoningをすり合わせていくことが,患者治療においては必須です!
動作発現前の推論立てと発現後の推論立てが異なれば,治療プランが変わりますから,即座に新たなReasoningをし直す必要があります.
「臨床は生きもの」と例えられるように,これに対応するには最新の知見を常に入れておき,日々の臨床から常に考えるトレーニングをして,自己のReasoningの引き出しを増やすことが必要不可欠なのです!
(編集:齋藤 潤孝)
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)