新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
STROKELABが設立し、もうすぐ3年目を迎える年となりました。
自費活動で1年1年を乗り越える事の大変さを身に染みて感じており、3年目に突入できることはとても嬉しく思っております。 ここまで来れたのも、ご来院される患者様や塾生の方々、そして、出会えた方々のおかげです。 本当にありがたいですし、皆様のご期待に沿えるよう、今年も全力で頑張りたいと思います。 乱文ですが、以下はこれまでの経験と気持ちを少しだけまとめてみました。
起業1年目
1年目は起業して、自身の志をどのように形にできるか、模索段階でした。様々な企画にチャレンジしてみたり、色々な交流の場に参加したりと、これまで12年間、病院中心に引きこもっていた時期からの殻破りの段階でした。try and errorであり、今思えばやらなくてもよかったような事もありますが、経験という意味では蓄積された貴重なものだと思っています。
今もそうですが、1年があっという間に感じることがほとんどありません。病院時代はルーチンワークもあり、1年が早く感じていましたが、1年目は特に1週間を乗り越えることに必死で、とても長く感じた年でした。
必死の中身は
・月の売り上げに振り回されない精神力
・日常生活のストレスを臨床に影響させない精神力
・自費臨床のプレッシャーに負けない精神力
・経営、臨床、塾関連の教育、執筆など多方面の問題を1人で決断していく精神力
・娯楽に依存しない精神力
・自費活動に嫌味、嫌がらせをされる刺激に耐える精神力
などかもしれません。
起業2年目
2年目となる昨年は、1年目の上記問題点を少しずつ自身で克服できるようになってきました。職場が引っ越せて、塾の枠を増やせ、職員も1名ですが増員できたので、ステップアップできた年になったと思います。
その分、夜も週末もやることが増え、交流の場に出向ける機会は圧倒的に減ってきました。時間をコントロールするにも限界があるということを実感してました。
ただ、職員が常に1名そばにいるので、怠け癖のある自分にとってはとても良い刺激になり、患者さんのセラピー以外の時間の集中力も増しました。1年目に頻発した原因不明の発熱もなくなりました。また、遅れている出版関係のゴールが少しずつ見えてきました。 医学書院で発売予定の書籍が1年目はほとんど手につきませんでした。起業後のプレッシャーや、空いている時間があるのに集中力のリズムが作れず、まったく筆が進まなかったです。
そのため分担執筆も少し考えたのですが、僕のこだわりが強すぎて、結局自身の執筆中心になっています。とことん自分の性格がよく分かった良い機会になりました。現在250ページのうち200ページまで書き終えています。5ヵ月で100ページ程書けたので、急激にペースが上がりました。
このペースで高速に処理していきます。翻訳の近代ボバース概念も編集処理の段階ですので、1月中におそらく出版日をお伝えできると思っています。
起業3年目に向けて
いよいよ3年目ですが、これまでと変わらず、臨床をベースとした活動、その延長を連続していくことだと思っています。目先の利益に振り回されず、自身の活動に責任を持ち、派手なパフォーマンスを極力抑えながらの行動に取り組んでいきます。
これは本当に自分との戦いで、自費になるとこの部分のバランスが本当に難しいです。宣伝ゼロで患者さんや塾生が来ることなど、普通はありえません。そのためパフォーマンスが派手になる恐怖があります。
しかし、臨床ベースはこの妄想、暴走をゼロに戻してくれる不思議な力があります。患者さんとの臨床で汗をかいたり集中できると、調子に乗る自分にブレーキをかけてくれます。
「自分はただのセラピストでそれ以上でもそれ以下でもない」
という感覚を頭ではなく肌で感じ取れます。
自費活動になると、監視の目や規制が少なくなるため誘惑も増え、調子に乗る、妄想が膨らむ機会はたくさん訪れます。
今思うと、1年目の最初の段階で職員を赤字覚悟で雇い、ペースコントロールがやりやすい状況にしておくべきだったとも思います。現在以下の条件で3人目の職員を増やせないか模索中です。職員の斎藤君の実技練習相手がほしいこの頃です。
STROKE LABで働く職員には
・臨床が3度の飯より大好きな人
・英文がある程度高速に読め、文章を書ける人
・人に教えたがりでない謙虚で若い人
・自費のプレッシャーに負けない人
・僕に依存しない人 (笑)
を重要視しています。
そもそも安定した病院とは異なり、いつ潰れるかわからないベンチャーの自費活動の施設に入りたい、という気持ちの療法士は少なく、欲張りすぎな条件です。しかし、フランチャイズの多店舗展開型システムでSTROKE LABはやるつもりはなく、そうなると職員の質が勝負になってきます。
多くても1年に一人増やすか、増やさないかで、職員の方には僕の臨床に沢山入ってもらい、技術教育と自費への覚悟を形成する人材育成に多大な時間を割きます。ですので、単純な売り上げアップのための職員増員にならないよう、慎重に模索していく方向です。幸い長期型の塾があるので、めぐり合いに期待しています。
乱文になりましたが、今年はまずは医学書院の出版を仕上げ、4月予定のあらたな事業準備(これはまだ内緒)、常に本気モードの臨床と塾教育の継続を行っていきます。今年も、臨床・教育・執筆と情報発信の3つのバランスを取りながら、頑張っていきます。
どうぞよろしくお願いします。
金子唯史
1981 :長崎市生まれ 2003 :国家資格取得後(作業療法士)、高知県の近森リハビリテーション病院 入職 2005 :順天堂大学医学部附属順天堂医院 入職 2012~2014:イギリス(マンチェスター2回,ウェールズ1回)にてボバース上級講習会修了 2015 :約10年間勤務した順天堂医院を退職 2015 :都内文京区に自費リハビリ施設 ニューロリハビリ研究所「STROKE LAB」設立 脳卒中/脳梗塞、パーキンソン病などの神経疾患の方々のリハビリをサポート 2017: YouTube 「STROKE LAB公式チャンネル」「脳リハ.com」開設 現在計 9万人超え 2022~:株式会社STROKE LAB代表取締役に就任 【著書,翻訳書】 近代ボバース概念:ガイアブックス (2011) エビデンスに基づく脳卒中後の上肢と手のリハビリテーション:ガイアブックス (2014) エビデンスに基づく高齢者の作業療法:ガイアブックス (2014) 新 近代ボバース概念:ガイアブックス (2017) 脳卒中の動作分析:医学書院 (2018) 脳卒中の機能回復:医学書院 (2023) 脳の機能解剖とリハビリテーション:医学書院 (2024)